戸山団地のレインボー/amazarashi

(とやまだんちのれいんぼー)

戸山団地のレインボー

(あれはまだひっこしたばっかの)

あれはまだ引っ越したばっかの

(はちがつのげきしょあおもりじゃすうねんにいちどの)

八月の激暑 青森じゃ数年に一度の

(かえなかったれいぼうせんぷうきはしおらしくじゅうろうどう)

買えなかった冷房 扇風機はしおらしく重労働

(ゆめみてたせいこうばいとをやめてなくしたたいろ)

夢見てた成功 バイトを辞めて失くした退路

(こどものころからこがれてとりこになった)

子供の頃から焦がれて 虜になった

(いくにんもがやめてむりとわらわれて)

幾人もが辞めて 無理と笑われて

(もうゆめものがたりじゃないげんじつのはだざわり)

もう夢物語じゃない 現実の肌触り

(かねとせいかつのはざまにゆめがはさまってたんだ)

金と生活の狭間に 夢が挟まってたんだ

(とやまだんちのれいんぼー)

戸山団地のレインボー

(ぼくはまだしんじてみてもいいか)

僕はまだ信じてみてもいいか

(ああいまだけのねいろくのうくつうもふかけつなしきさい)

ああ 今だけの音色 苦悩 苦痛も不可欠な色彩

(どしゃぶりのれいんぼー)

土砂降りのレインボー

(じょしょうだけずっといきてたきがして)

序章だけずっと生きてた気がして

(ああいきさきふめいりょうえんでぃんぐはむかえにこないから)

ああ 行き先不明瞭 エンディングは迎えにこないから

(よんじゅうよんごうせんののうどうとしんかんせんのこうかした)

44号線の農道と新幹線の高架下

(ひかげもののねじろすれちがうのはけいとらときせつだけ)

日陰者の根城 すれ違うのは軽トラと季節だけ

(あしどりをせいしょいきどおりもすいこうをかさねて)

足取りを清書 憤りも推敲を重ねて

(どろのついためいちょろうどうのあきまにゆめがくらしてる)

泥のついた名著 労働の空き間に夢が暮らしてる

(じぶんをうたがいそうならいっそうたがって)

自分を疑いそうならいっそ疑って

(といつめたんだほんしんはどうなんだ)

問い詰めたんだ 本心はどうなんだ

(げつまつのしはらいにもどかしいこのいらだち)

月末の支払いにもどかしいこの苛立ち

(てんびんゆれるよちもなくやるしかないじんせいだ)

天秤揺れる余地もなく やるしかない人生だ

(とやまだんちのれいんぼー)

戸山団地のレインボー

(ぼくはまだしんじてみてもいいか)

僕はまだ信じてみてももいいか

(ああここだけのねいろふへいふまんもふかけつなしきさい)

ああ ここだけの音色 不平 不満も不可欠な色彩

(どしゃぶりのれいんぼー)

土砂降りのレインボー

(じょそうだけずっとはしってきたんだ)

助走だけずっと走ってきたんだ

(ああいきさきふめいりょうえんでぃんぐはむかえにこないから)

ああ 行き先不明瞭 エンディングは迎えに来ないから

(いざかやかふぇけんのいべんと)

居酒屋 カフェ 県のイベント

(たうんほーるぜんざぶどうかん)

タウンホール 前座 武道館

(どこだってうたわないうわべ)

どこだって歌わない上辺

(どうせにぎやかしにはにあわねぇ)

どうせ賑やかしには似合わねぇ

(こんきょのないじしんはもうすてて)

根拠のない自信はもう捨てて

(こんきょのあるじしんをさがしだせ)

根拠のある自信を探し出せ

(たかがたいようこうのはんしゃにほだされてさだまったけついじゃねえ)

たかが太陽光の反射にほだされて定まった決意じゃねえ

(しっぱいやこんなんだらけのぼくらだから)

失敗や困難だらけの僕らだから

(ぼくらだけのけしきをえがけるはずだよな)

僕らだけの景色を描けるはずだよな

(そのへんじみたいにあいずみたいに)

その返事みたいに 合図みたいに

(にじがかかったみちはつながった)

虹が架かった 道は繋がった

(とやまだんちのれいんぼー)

戸山団地のレインボー

(きみはまだしんじていてくれるか)

君はまだ信じていてくれるか

(ああぼくだけのねいろしついざせつもふかけつなしきさい)

ああ 僕だけの音色 失意 挫折も不可欠な色彩

(どしゃぶりのれいんぼー)

土砂降りのレインボー

(じょしょうからやっとぬけたところ)

序章からやっと抜けたところ

(ああいきさきふめいりょうえんでぃんぐをむかえにいくんだ)

ああ 行き先不明瞭エンディングを迎えに行くんだ

(とやまだんちのれいんぼー)

戸山団地のレインボー

(あれはまだひっこしたばっかで)

あれはまだ引っ越したばっかで

(ゆめみてたせいこうきぼうをたせばぼくだけのしきさい)

夢見てた成功 希望を足せば僕だけの色彩