意味が分かると怖い話309 概要欄に説明あり

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プレイ回数3011難易度(4.4) 1448打 長文
もったいない
もったいない。

解説
なぜ、最後におじさんが両手を前へあげたのでしょうか。
それはずばり、”つきおとすため”です。

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問題文

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(もうわたしはいきるのにつかれてしまった。)

もう私は生きるのに疲れてしまった。

(ぶらっくなかいしゃにしゅうしょくしてしまったわたしは、)

ブラックな会社に就職してしまった私は、

(まいにちじょうしにどなられてむのうあつかいされ、)

毎日上司に怒鳴られて無能扱いされ、

(じんかくまでひていされつづけた。)

人格まで否定され続けた。

(しんやまでずっとはたらかされつづけ、)

深夜までずっと働かされ続け、

(きゅうじつなんてまったくない。)

休日なんて全くない。

(そんなじょうたいなのにもかかわらずはっきゅうなうえ、)

そんな状態なのにもかかわらず薄給なうえ、

(ざんぎょうだいなんて1えんもしはらわれていない。)

残業代なんて1円も支払われていない。

(もうげんかいだ。)

もう限界だ。

(そしてわたしはけんないにあるとあるめいしょにやってきた。)

そして私は県内にあるとある名所にやってきた。

(たぶんここでとびおりたひとたちもみんな)

多分ここで飛び降りた人たちもみんな

(いまのわたしとおなじようなきもちだったのだろう。)

今の私と同じような気持ちだったのだろう。

(もうすぐわたしもなかまいりだ。)

もうすぐ私も仲間入りだ。

(「そんなことはやめなさい」)

「そんなことはやめなさい」

(だがさいごのいっぽをふみだそうとしたわたしにこえをかけるひとがいた。)

だが最後の一歩を踏み出そうとした私に声をかける人がいた。

(ふりかえると、そこにはやさしそうなひょうじょうをしたおじさん。)

振り返ると、そこには優しそうな表情をしたおじさん。

(「なにかあったのでしょうが、おやめなさい。いのちがもったいない。」)

「何かあったのでしょうが、おやめなさい。命がもったいない。」

(いやだ・・・はやくこのくるしみからかいほうされたい・・・)

いやだ・・・早くこの苦しみから解放されたい・・・・

(「どうかおもいとどまってください。)

「どうか思いとどまってください。

(よければわたしになやみをうちあけてくれませんか。)

よければ私に悩みを打ち明けてくれませんか。

など

(それくらいならいいでしょう。」)

それくらいならいいでしょう。」

(やさしいおじさんのことばに、わたしははじめてこころのうちをさらけだした。)

優しいおじさんの言葉に、私は初めて心の内をさらけ出した。

(なみだまじりのわたしのことばを、おじさんはやさしいかおできいてくれた。)

涙交じりの私の言葉を、おじさんは優しい顔で聞いてくれた。

(はなしをおえるころには、わたしのこころはずいぶんとかるくなっていた。)

話を終えるころには、私の心は随分と軽くなっていた。

(なやみをひとにうちあけるとこころがかるくなるというが、)

悩みを人に打ち明けると心が軽くなるというが、

(それはほんとうだったようだ。)

それは本当だったようだ。

(わたしはかんしゃをこめておじさんにつげる。)

私は感謝を込めておじさんに告げる。

(もう、とびおりるのはやめよう。)

もう、飛び降りるのはやめよう。

(そうするとおじさんが、)

そうするとおじさんが、

(「それはよかった。)

「それはよかった。

(わたしはこれまでここでとびおりようとするひとたちをぜんいんとめてきました。)

私はこれまでここで飛び降りようとする人たちを全員止めてきました。

(あなたもとめることができてほんとうによかったです。」)

あなたも止めることができて本当に良かったです。」

(そういって、おじさんはゆっくりとわたしのほうへちかづいてきた。)

そういって、おじさんはゆっくりと私のほうへ近づいてきた。

(まんがいちわたしがとびおりてしまうことをふせぐためなのか、)

万が一私が飛び降りてしまうことを防ぐためなのか、

(おじさんはりょうてをまえへあげていた。)

おじさんは両手を前へあげていた。

(ああ、おじさんはほんとうにやさしいひとなんだな。)

ああ、おじさんは本当に優しい人なんだな。

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