ラクガキサマ

(なりたいなにかをめざしてなりたくないなにかになったきぶんはいかが)

なりたい何かを目指して なりたくない何かになった 気分はいかが？

(そいつはあのひにこすった３せんちくらいのくれよんでばけものなのさ)

そいつはあの日に擦った 3センチくらいのクレヨンでバケモノなのさ

(てをあげちゃおしつけあっておおごえでののしりあって)

手を上げちゃ押し付け合って 大声で罵り合って

(ああそうだねゆめにみていたんだ)

ああ、そうだね 夢に見ていたんだ

(ぶきようなもんだなおまえがいうほど)

不器用なもんだな　お前が言うほど

(このせかいはやさしくできてないんだよ)

この世界は優しく出来てないんだよ

(つめのあいだはあらっておちないくらいにふかいないろしてにごってんだ)

爪の間は洗って落ちないくらいに 不快な色して濁ってんだ

(ほのぐらいあいとなえてらくがきさままちがいなんてといごとばいばい)

灰暗い愛唱えてラクガキサマ 間違いなんて問いごとバイバイ

(いきもできないふできなからだでゆがんだきみはだれなんだ)

息もできない不出来な身体で 歪んだ君は誰なんだ

(きめられたせんがもどかしくてぬりえがきらいだったこと)

決められた線がもどかしくて 塗り絵が嫌いだったこと

(きょうかしょやぶいたかみひこうきとおくとぶきがしたこと)

教科書破いた紙飛行機 遠く飛ぶ気がしたこと

(わすれたなんてさいわせないぞずっとくるしんできたんだろう)

忘れたなんてさ　言わせないぞ ずっと苦しんできたんだろう

(だれにのぞまれてなんかいしんだ)

誰に望まれて何回死んだ？

(なきたいよるにわらうふりばかりしてなにさま)

泣きたい夜に笑うフリばかりして何様？

(わかんないのこころにばいばい)

わかんないの心にバイバイ

(しぬにしねないふできなせかいにすがりたいそれはなぜ)

死ぬに死ねない不出来な世界に 縋りたい　それは何故？

(どうだっていいんだよわかってるんだろう)

どうだっていいんだよ わかってるんだろう

(それだけこえからしたってそんなもんだろう)

それだけ声枯らしたってそんなもんだろう

(すくえるものもないんだってわかってたんだろうおかしくってたまらない)

救えるものもないんだってわかってたんだろう 可笑しくってたまらない

(ほのぐらいあいとなえてらくがきさままちがいなんてといごとばいばい)

仄暗い愛唱えてラクガキサマ 間違いなんて問いごとバイバイ

(いきもできないふできなからだでなにになるつもりさ)

息もできない不出来な身体で 何になるつもりさ

(ばかみたいにうたえよらくがきさまわらえなきゃないたらいいさ)

馬鹿みたいに謳えよラクガキサマ 笑えなきゃ泣いたらいいさ

(しぬにしねないふできなせかいにゆがんだぼくはだれ)

死ぬに死ねない不出来な世界に 歪んだボクは誰？

(ねえらくがきさま)

ねえ　ラクガキサマ