サマーライト・ストーリー

(なにもかわらないほうかごきみのせなかがよぎる)

何も変わらない放課後君の背中がよぎる

(あのひとにたようないろをした)

あの日と似たような色をした

(ゆうやけ)

夕焼け

(いつもこうだおさないあたまきょうしつのすみ)

「いつもこうだ」幼い頭教室の隅

(きまったさだめなのか)

決まった運命なのか

(いきるってもろくないか)

生きるって脆くないか

(なくなりそうなひやけどめときみのおもかげ)

無くなりそうな日焼け止めと君の面影

(みとめたくないというように)

認めたくないと言うように

(かばんにおしこんだ)

カバンに押し込んだ

(あつさでいろあせたにっし)

暑さで色褪せた日誌

(それでもぼくらのあしあとはかわらない)

それでも僕等の足跡は変わらない

(はずだった)

はずだった

(くもるこころのすきまから)

曇る心の隙間から

(よぶこえひびいたきがして)

呼ぶ声響いた気がして

(ひかりにてをのばしたんだ)

光に手を伸ばしたんだ

(このせかいがまちがってるわけではないけど)

この世界が間違ってるわけではないけど

(ただきみにみせたいあしたがあって)

ただ君に見せたい明日があって

(それをいっしょにきょうにかえて)

それを一緒に今日に変えて

(つよくなんかないんだ)

強くなんかないんだ

(がむしゃらなぼくをゆるしてよ)

がむしゃらな僕を許してよ

(くりかえすのこのそら)

繰り返すのこの空

(どこかでないているんでしょ)

何処かで泣いているんでしょ？

(このときがただしいかなんてしらないけど)

この瞬間が正しいかなんて知らないけど

(ただきみがねがってたあしたがあって)

ただ君が願ってた明日があって

(それをいっしょにきょうとわらって)

それを一緒に今日と笑って

(しずむひにあついねって)

沈む日に「暑いね」って

(ほほえんでほしいだけ)

微笑んでほしいだけ

(だれのひかりももうなくさないから)

誰の光ももう失くさないから

(ずっとしまっておいたきぼうと)

ずっとしまっておいた希望と

(いつかあのよびなで)

いつかあの呼び名で

(きっとまってる)

きっと待ってる

(かわらないとなりで)

変わらない隣で

(ごめんとなみだをうかべるきみ)

「ごめん」と涙を浮かべる君

(しめっぽいのはきらいだから)

湿っぽいのは嫌いだから

(かげろうがのこるせつな)

陽炎が残る刹那

(ふったてのこうかい)

振った手の後悔

(あのひょうかがとけるほどあつくながいいっしゅんは)

あの氷菓が溶けるほど熱く長い一瞬は

(このせかいがまちがってるわけではないから)

この世界が間違ってるわけではないから

(ただきみといきたいあしたがあって)

ただ君と生きたい明日があって

(それをいっしょにきょうにかえて)

それを一緒に今日に変えて

(ぼくらはまたえがくんだ)

僕等はまた描くんだ

(だからなかないでよ)

だから泣かないでよ

(あたりまえのきせきもう)

当たり前の奇跡もう

(なくさないから)

失くさないから

(なにもかわらない)

何も変わらない

(ぼくらにはちがつのゆうひがさす)

僕等に八月の夕日が差す

(ゆめのはざまでであった)

夢の狭間で出逢った

(なつのひ)

夏の日