無重力サイレン

(われるめとかげるそらこえをからしてはったたいおんに)

割れる目と陰る空 声を枯らして這った体温に

(れっとうしたあいろにーそらをさわったようなあいでんてぃ)

劣等した アイロニー 空を触ったような アイデンティ

(はんてんしたあんごうでかわすこきゅうとよくにたきごうろん)

反転した暗号で 交わす 呼吸とよく似た記号論

(けっそんしたあいぼでものくろになったしかいから)

欠損した 愛慕で モノクロになった視界から

(いみをはいしたむせいおん)

意味を排した無声音

(われるえごのあいだから)

割れるエゴの間から

(こぼれおちてくことば)

零れ落ちてく言葉

(よるがあけるまで)

夜が明けるまで

(はしりだしていけりがいのさいの)

走り出して 行け 理外の賽の

(さししめすかじのせんとうに)

指し示す 舵の 先頭に

(いまだみえないつきはねおんらいと)

未だ 見えない 月はネオンライト

(きえかかったそうこうせい)

消えかかった 走光性

(こがしてちるげんじつさいど)

焦がして 散る 現実 彩度

(なくしたいみのざんぞうに)

失くした 意味の残像に

(すがるゆびつかむさびのかかってるうみ)

縋る 指 掴む 錆のかかってる 海

(はがれきったまくの)

剥がれ切った膜の

(りんじんはぼくの３０ｃｍほうこわして)

隣人は僕の30cm方壊して

(けいとうしたいしきで)

傾倒した意識で

(にんちのそとにおちてくりそうろん)

認知の外に落ちてく 理想論

(たかぶってわいたねつかんをいしのさくそうおくにおしこんで)

昂って沸いた 熱感を 意思の錯綜 奥に押し込んで

(とけいのはりおよぐさいれん)

時計の針 泳ぐサイレン

(よこむきのじゅうりょくだ)

横向きの重力だ

(けっそんこんじる)

欠損 混じる

(てんめつしたしゃようのかげ)

点滅した斜陽の影

(かねのねはおちる)

鐘の音は落ちる

(かざりきってまみれ)

飾り 切って 塗れ

(りかいをはいし)

理解を 廃し

(あしたきたるいみのすいへいせん)

明日来たる 意味の 水平線

(にえきらないひびはぜったいれいど)

煮え切らない 日々は 絶対零度

(とけきったせんじょうせい)

解け切った 線状性

(とかしたゆみ)

溶かした 弓

(げんをはって)

弦を張って

(のぼったつきのてっぺんに)

登った月の天辺に

(すわるようだいろをあいにおとしてるゆめ)

座る様だ 色を 藍に落としてる 夢

(はしりだしていけりがいのさいの)

走り出して 行け 理外の賽の

(さししめすかじのせんとうに)

指し示す 舵の 先頭に

(いまだみえないつきはねおんらいと)

未だ 見えない 月はネオンライト

(きえかかったそうこうせい)

消えかかった 走光性

(こがしてちるげんじつさいど)

焦がして 散る 現実 彩度

(なくしたいみのざんぞうに)

失くした 意味の残像に

(すがるゆびつかむさびのかかってるうみ)

縋る 指 掴む 錆のかかってる 海

(さらばがいとうはすてろ)

さらば 外套は捨てろ

(とうにはしはくずれかかってる)

とうに 橋は崩れかかってる

(さぁかけろかぜがひらいたみちへ)

さぁ 駆けろ 風が拓いた道へ