白旗

(つたえたいとかつづるくらいに)

伝えたいとか綴るくらいに

(どうしてたまにからっぽだ)

どうしてたまに空っぽだ

(すくえないことをはじるくらいに)

救えないことを恥じるくらいに

(おもいあがりでもそだったら)

思い上がりでも育ったら

(どうしよう)

どうしよう

(せっかくならとなりで)

せっかくなら隣で

(あいにくならうしろで)

あいにくなら後ろで

(まあいいやおまえにひたられても)

まあいいやお前に浸られても

(かってになかれても)

勝手に泣かれても

(さんびょうしつかいつぶすだけならだれにでもできる)

三拍子使い潰すだけなら誰にでもできる

(とめられるんじゃないかっておくじょうひっかいて)

止められるんじゃないかって屋上引っ掻いて

(とびたてるんじゃないかっておもったの)

飛び立てるんじゃないかって思ったの？

(あなたにきずをのこせたら)

あなたに傷を残せたら

(かたむいたおもいもとげればいいのに)

傾いた想いも遂げればいいのに

(うらんでるかこうもくやんでるじょうしょうも)

恨んでる下降も悔やんでる上昇も

(はためいたらぜんぶなくなればいいのに)

旗めいたら全部なくなればいいのに

(とおくならないできょうあるけないね)

遠く鳴らないで今日歩けないね

(しろはたをふるえたてをどうかわすれないで)

白旗を震えた手をどうか忘れないで

(かけだしてあがるねつ)

駆け出して上がる熱

(とけないせいぜんせつ)

解けない性善説

(ぎゃっこうのなかいきるなら)

逆光の中生きるなら

(このたよりないいとおしさで)

この頼りない愛しさで

(すべてたたえるなんてできない)

すべて讃えるなんてできない

(あしたになったらどうかひじょうぐちへいこうか)

明日になったらどうか非常口へ行こうか

(まあいいよみんなしてぶがいしゃで)

まあいいよみんなして部外者で

(とおくできいてるし)

遠くで聞いてるし

(すくえないをうたっている)

救えないを歌って　いる

(ここから)

ここから

(からまったらといていければいいのに)

絡まったら解いていければいいのに

(だいきらいなのどをふさいでるしょうそうを)

大嫌いな喉を塞いでる焦燥を

(かききったらさいごにとどけばいいのに)

掻き切ったら最期に届けばいいのに

(ねがうことからはじまるだろうから)

願うことから始まるだろうから

(すでにふゆだとおもいたくはない)

既に冬だと思いたくはない

(あなたにきずをのこせたら)

あなたに傷を残せたら

(いまゆるせなくてもあいせるようにと)

今許せなくても愛せるようにと

(ひらめいたようなそのしろはたを)

閃いたようなその白旗を

(かかげてたふるえたてをどうかわすれないで)

掲げてた震えた手をどうか忘れないで