29時はビビッド

(いつもきみがさきにおきるから)

いつもきみが先に起きるから

(ほんとうのことをおしえてよ)

本当のことを教えてよ

(みつのあまいことばのためいきだ)

蜜の甘い言葉のため息だ

(ほんろうよかれとおもってたのずっと)

翻弄　善かれと思ってたの？ずっと

(よるがふけるまではてるまで)

夜が更けるまで果てるまで

(とけいぶっこわしてまであれ)

時計ぶっ壊してまで　あれ？

(うめあわせかたもはがたのついたかたから)

埋め合わせ方も歯型のついた肩から

(みて)

見て

(なんかもれだしてるみたいだ)

なんか漏れ出してるみたいだ

(そんなたいだどうもいたいな)

そんな怠惰　どうも痛いな

(どんなたいかもとめられてもわからないな)

どんな対価求められてもわからないな

(あのとききずつけられたことも)

あのとき傷つけられたこと、も

(どうしようもなくひとりだってことも)

どうしようもなく一人だってこと、も

(といだかんじょうのほこさきを)

研いだ感情の矛先を

(きみにむけたことも)

君に向けたことも

(あさひならたべたよだーりん)

朝日なら食べたよダーリン

(きみがわらうとちょっとつらいんだ)

君が笑うとちょっと辛いんだ

(どんなことものりこえていける)

「どんなことも乗り越えていける」

(とでもいいたげで)

とでも言いたげで

(かんじんなことはなにもいわないで)

肝心なことは何もいわないで

(どんなにつよくつないでも)

どんなにつよく繋いでも

(ゆびのすきまからこおりのあさが)

指の隙間から氷の朝が

(みずいろのつららでつらぬいて)

みずいろの氷柱で貫いて

(はんこひとつのあかいいとと)

ハンコひとつの赤い糸と

(はいとふたつのつぐないと)

灰とふたつの償いと

(わたしのとなりをいきるひとはそう)

私の隣を生きる人はそう

(ひとのかたちをしたひとのこと)

人の形をした人のこと

(きみのみせのまえでまって)

君の店の前で待って

(ゆれるすそのはるでもって)

揺れる裾の春でもって

(わたしはそれをみる)

私はそれを見る

(とうぜんのことをしる)

当然のことを知る

(ないたりはもうしない)

泣いたりはもうしない

(はいざらわりもしない)

灰皿割りもしない

(だいきらいなやつみたい)

大嫌いなやつみたい

(にはならないでいたい)

にはならないでいたい

(あのときしめつけられたこころ)

あのとき締め付けられた心

(よくみればひびわれてることも)

よく見ればひび割れてることも

(ないだてんじょうのいきさきに)

凪いだ天井の行先に

(きみがかけたことも)

君が欠けたことも

(あさひならたべたよだーりん)

朝日なら食べたよダーリン

(きみはわらうよずっとゆめのなか)

君は笑うよずっと夢のなか

(どんなことものりこえていける)

どんなことも乗り越えていける

(わけがないからさ)

わけがないからさ

(かんじんなことはなにもいわないで)

肝心なことは何もいわないで