世界の解像度

(ふかんでみればよのことわりのようなしきさい)

俯瞰で見れば　世の理のような色彩

(とうじしゃとなりぎょうしすればそあくならくがき)

当事者となり　凝視すれば粗悪な落書き

(ありえないことがなんどおこったきみがいきているあいだに)

ありえないことが何度起こった　君が生きている間に

(そのたびめをふせてなかったことにしたいまやわすれた)

そのたび目を伏せて　無かったことにした　今や忘れた

(ひげきもきげきもおなじようりょう)

悲劇も喜劇も　同じ容量

(すうめがたんいのｂｇｍききながらいのちからがら)

数メガ単位のBGM　聞きながら　命からがら

(こわれたせかいなきついてやっぱぼくらにはなかった)

壊れた世界泣きついて　やっぱ僕らにはなかった

(ひとのさいのうもそんなせかいのかいぞうど)

人の才能も　そんな世界の解像度

(きょうもざんこくのかみつかきわけやるべきことにひへいして)

今日も残酷の過密かき分け　やるべきことに疲弊して

(のこすいきていたしょうこあわせるせかいのかいぞうど)

残す生きていた証拠　合わせる世界の解像度

(きみのしてんぼくのしてんなにがみえる)

君の視点　僕の視点　何が見える

(だましだまされうんざりしてみみをふさぐのは)

騙し騙され　うんざりして耳を塞ぐのは

(きもちはわかるけどそのせいでぼくらいきわかれ)

気持ちは分かる　けどそのせいで僕ら生き別れ

(もういまさらだよぜんかあくとかそれよりつなぎなおすんだ)

もう今更だよ　善か悪とか　それより繋ぎ直すんだ

(だんせんしたらいとよるはあかりがいるなにはともあれ)

断線したライト　夜は明かりがいる　何はともあれ

(そとはあらしでひさんだけどきみは)

外は嵐で　悲惨だけど君は

(むぼうびなかっそうでわらうからあらがうから)

無防備な滑走で　笑うから　抗うから

(きみはきみだけのばしょでめをとじないでみていて)

君は君だけの場所で　目を閉じないで見ていて

(ここのしてん、さいほうごうあたらしいせかいのかいぞうど)

個々の視点、再縫合　新しい世界の解像度

(いつかのぎまんのせいこうにすがってやつらがあしたねらうのは)

いつかの欺瞞の成功にすがって　奴らが明日狙うのは

(どうせかこのさいほうそうそれがかれらのかいぞうど)

どうせ過去の再放送　それが彼らの解像度

(きょうのしてんかこのしてんなにがみえる)

今日の視点　過去の視点　何が見える

(いっしゅんでにちじょうはおわるいっしょうそのむなしさつきまとう)

一瞬で日常は終わる　一生その虚しさ付きまとう

(おわりおそれることからはじめてだってぼくらわすれてしまうだろ)

終わり恐れることから始めて　だって僕ら忘れてしまうだろ

(せいとしをいきてひびのよろこびとおんがくをかたわらに)

生と死を生きて　日々の喜びと音楽を傍らに

(うちゅうのはてからきみのさいぼうつなぐちょくせんにぼくのむくろ)

宇宙の果てから君の細胞　繋ぐ直線に僕の骸

(なきながらてをとったもうおわったあなたのて)

泣きながら手をとった　もう終わったあなたの手

(まだおわらないぼくのてこれからはじまるきみのて)

まだ終わらない僕の手　これから始まる君の手

(こわれたせかいなきついてあたまいかれてもうたうぜ)

壊れた世界泣きついて　頭いかれても歌うぜ

(しさくのばいおんとひびきあうせかいのかいぞうど)

思索の倍音と　響き合う世界の解像度

(あいたかったといいにきたくてんじゃなくここはとうてん)

会いたかったと言いに来た　句点じゃなくここは読点

(そのいたみやかいこんもつなげばせかいのかいぞうど)

その痛みや悔恨も　繋げば世界の解像度

(なにがみえるなにがみえるなにがみえる)

何が見える　何が見える　何が見える