二酸化炭素

(あなたがふかくためいきつくそのたびに)

あなたが深くため息つく　その度に

(わたしはふあんでたまらなくなる)

私は不安でたまらなくなる

(なにかしたかなきらわれたかな)

何かしたかな　嫌われたかな

(もうきすしてくれないかな)

もうキスしてくれないかな

(でもそんなおんなめんどうくさいこと)

でもそんな女面倒臭いこと

(いたいほどわかっているから)

痛いほど解っているから

(わたしもまねしてためいきつく)

私も真似してため息つく

(あなたにきこえてるかしらないけど)

あなたに聞こえてるか知らないけど

(きっとこのへやのいきぐるしさは)

きっとこの部屋の息苦しさは

(わたしたちふたりのにさんかたんそのせい)

私達二人の二酸化炭素のせい

(いいたいこといわない)

言いたいこと言わない

(りゆうもないのにくちをつむぐ)

理由もないのに口を紡ぐ

(そのかわりではきだしたためいきは)

そのかわりで吐き出したため息は

(わたしをひどくむなしくさせる)

私をひどく虚しくさせる

(いつまでもどこまでもそばにいたいのに)

いつまでもどこまでも　そばに居たいのに

(わたしをしられるのがこわかったし)

私を知られるのが怖かったし

(あなたをしるのがこわかった)

あなたを知るのが怖かった

(ひょうめんだけをあいしあうこんなかんけいに)

表面だけを愛し合うこんな関係に

(なんのいみがあるというの)

何の意味があるというの

(うわべのえがおがはりついて)

上辺の笑顔が貼りついて

(もうこれはきっと)

もうこれはきっと

(はがれそうにはないからさ)

剥がれそうにはないからさ

(きっともうわたしたち)

きっともう私達

(だめになるんだろうな)

ダメになるんだろうな

(やだなぁすきだったなぁ)

やだなぁ、好きだったなぁ

(きっとこのへやのいきぐるしさは)

きっとこの部屋の息苦しさは

(わたしたちふたりのにさんかたんそのせい)

私達二人の二酸化炭素のせい

(いいたいこといわない)

言いたいこと言わない

(りゆうもないのにくちをつむぐ)

理由もないのに口を紡ぐ

(そのかわりではきだしたためいきは)

そのかわりで吐き出したため息は

(わたしをひどくむなしくさせる)

私をひどく虚しくさせる

(だれもしらない)

誰も知らない

(わたしたちふたりのはじまりもおわりも)

私達二人の始まりも終わりも

(おたがいだけがしっていればいい)

お互いだけが知っていればいい

(ひみつのとき)

秘密の時

(きらいにもなれなかったよな)

嫌いにもなれなかったよな

(さいごまでちゅうとはんぱなふたりよ)

最後まで中途半端な二人よ

(どうかえいえんにめをさまさぬよう)

どうか永遠に目を覚まさぬよう