宵闇彼岸花/いれいす
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歌詞(問題文)
(にしおもてもなかのつきてらせししらぬいに)
西面最中の月照らせし不知火に
(かげろうのごとくきえしいとしきかのきみへ)
陽炎のごとく消えし愛しき彼の君へ
(あでやかなみぞまといしわらわべのしんしょう)
艶やかな御衣纏いし童女の心上
(まことのなつぐことさえかなわぬとおもえず)
真の名告ぐことさへ叶わぬと思へず
(うきようつすみかがみよ)
憂き世映す水鏡よ
(すませこころねを)
澄ませ心音を
(かみよりよまがつひびよおもいよせかさねて)
神依よ禍つ日々よ思ひ寄せ重ねて
(くもがくれほしつきよにたゆたいしおぼろぐもへ)
雲隠れ星月夜に揺蕩いし朧雲へ
(むつごとにそでをふれどつがいゆくえしらず)
睦言に袖を振れど番行方知らず
(ねがわくはまいらせたまえ)
願わくは参らせ給へ
(あやしきひがんのはなよさきほこれよいのそらへ)
妖しき彼岸の花よ咲き誇れ宵の空へ
(にぶいろののれんのさきのぞくきみはちりて)
鈍色の暖簾の先覗く君は散りて
(おくれいてこいひばくるし)
おくれゐて恋ひば苦し
(ひとりまくらぬらす)
一人枕濡らす
(ゆうなぎにいぬこのいのちなど)
夕凪に去ぬこの生命など
(きみのそばにおいてはくれぬか)
きみのそばに置いてはくれぬか
(たえずさめずくちずいねず)
絶えず醒めず朽ちず去ねず
(せきねんのこいねがひさえ)
積年の冀ひさへ
(とばりとなりてことだまのやどるえにしへと)
帳となりて言霊の宿る縁へと
(いまだきみをわすれたまえず)
未だ君を忘れ給へず
(うつろけぶるかがりびさえ)
虚ろ烟る篝火さへ
(うきよこがすうすべによ)
憂き世焦がす薄紅よ
(あかせこころねを)
あかせ心音を
(はかなきおもいはなつつくよたまもちりとなりて)
儚き想い放つ玉藻塵となりて
(すずのねよしらしめたまえぐれんにもゆるおもいを)
鈴の音よ知らしめ給へ紅蓮に燃ゆる想いを
(いちねんにながすなみだむみょうつゆとしりて)
一念に流す涙無冥露と知りて
(ねがわくはまいらせたまえ)
願わくは参らせ給へ
(あやしきひがんのはなよ)
妖しき彼岸の花よ
(さきほこれよいのそらへ)
咲き誇れ宵の空へ
(にしおもてかぎりのつきてらせしみあらかに)
西面限りの月照らせし御殿に
(けいこうのごとくひかるさめぬうつしよ)
蛍光のごとく光る覚めぬ現世