花風/ドラマストア

(よいごとにつめたくなるかぜがはこぶしろいといきが)

宵毎に冷たくなる風が運ぶ白い吐息が

(ためいきときづかぬようぼくはぼくをごまかした)

ため息と気付かぬよう僕は僕を誤魔化した

(さるごとにさびしくなるこころのもやにはもうなれた)

去る毎に寂しくなる心の靄にはもう慣れた

(いくつかのであいをこえいくつかのわかれをする)

いくつかの出会いを超えいくつかの別れをする

(なぜまたぼくらはふれあえてしまうんだろう)

何故また僕らは触れ合えてしまうんだろう

(なぜまたぼくらはわらいあえてしまうんだろう)

何故また僕らは笑い合えてしまうんだろう

(はなかぜがまうきみをみてたうしろすがたがこがらしとゆれて)

花風が舞う君を見てた後ろ姿が凩と揺れて

(ああこのままゆきになればまだきみのとなりにいられる)

ああこのまま雪になればまだ君の隣にいられる

(はなかぜがまうきみをみてたつないだてのぬくもりもきえて)

花風が舞う君を見てた繋いだ手の温もりも消えて

(このままはるがくればまたきみはぼくをおいてさくんだろう)

このまま春が来ればまた君は僕を置いて咲くんだろう

(あくるあさをゆびでかぞえのこされしひびをたしかめてた)

明くる朝を指で数え残されし日々を確かめてた

(まどうこともかなしむこともそこにいみはないとしる)

惑うことも哀しむこともそこに意味はないと知る

(すぐかぜがはるをまといよぎるばかなおもいをとかしていた)

過ぐ風が春を纏い過る馬鹿な想いを溶かしていた

(いくつかのであいをこえいくつかのわかれをする)

いくつかの出会いを超えいくつかの別れをする

(それでもぼくらはふれあえてしまうんだろう)

それでも僕らは触れ合えてしまうんだろう

(なみだもよわさもみせないまま)

涙も弱さも見せないまま

(はなかぜがまうきみをみてたうしろがみがだれかにひかれて)

花風が舞う君を見てた後ろ髪が誰かに引かれて

(ああこのままてをのばせばまだきみのものでいられるのに)

ああこのまま手を伸ばせばまだ君のものでいられるのに

(ちるためにさくさくためにちるくりかえすほんのうのわをとめるにあたわず)

散るために咲く咲くために散る繰り返す本能の輪を止めるに能わず

(ちるさくためにいくあふれだすせいめいのこえがこだまするきせつに)

散る咲くために行く溢れ出す生命の声が木霊する季節に

(ぼくはまたいっすんのまよいをみてみぬふりをするばかり)

僕はまた一寸の迷いを見て見ぬふりをするばかり

(とりとめのないおもいのまますすめたのなら)

取り止めのない思いのまま進めたのなら

(はなかぜがまうあのひぼくはりんとたつそのすがたにみとれて)

花風が舞うあの日僕は凛と立つその姿に見惚れて

(ああこのままめをそらせばまたかわらないはるがうつる)

ああこのまま目を逸らせばまた変わらない春が写る

(はなかぜがまうきみをみてたうしろがみがこがらしとゆれて)

花風が舞う君を見てた後ろ髪が凩と揺れて

(ああこのままゆきになればまだきみのとなりにいられる)

ああこのまま雪になればまだ君の隣にいられる

(はなかぜがまうきみをみてたつないだてのぬくもりもきえて)

花風が舞う君を見てた繋いだ手の温もりも消えて

(このままはるがくればまたきみはぼくをおいてさくんだろう)

このまま春が来ればまた君は僕を置いて咲くんだろう

(はるらんまんきみはきみのためにさくんだろう)

春爛漫君は君のために咲くんだろう