フォトフレーム

(すこしたかいこえはしりぬける)

少し高い声　走り抜ける

(まちうけるようだきあげるりょううで)

待ち受けるよう抱き上げる両腕

(だいしょうふたりのつながるかげ)

大小ふたりの繋がる影

(そっとみおくりあるきだしたごご)

そっと見送り　歩き出した午後

(えきまえせわしくゆきかうひと)

駅前　せわしく　行き交う人

(きたくらっしゅどきそれぞれかえりつくだろう)

帰宅ラッシュどき　それぞれ帰り着くだろう

(かいすぎたふるーつをかかえぼくも)

買い過ぎたフルーツを　抱え僕も

(そのなかにまぎれこんでみた)

その中に紛れ込んでみた

(わらいがおにてくるんだね)

笑い顔　似てくるんだね

(ならぶだれかでさいはっけんして)

並ぶ誰かで　再発見して

(まばたたきがしゃったーになったよう)

瞬きがシャッターになったよう

(またひとつほらすとろぼひかる)

またひとつ　ほらストロボ　光る

(ちいさなふぉとふれーむ)

小さなフォトフレーム

(ひとみにうつるしょうぞう)

瞳に映る肖像

(いつかのひ、ただながめていたそのまぶしさ)

いつかの日、ただ眺めていたその眩しさ

(とびらをあけたらいま)

扉を開けたら今

(にぎやかなほどおかえり)

賑やかなほど　おかえり

(いきをとめてうけとめた)

息を止めて受け止めた

(ひとつぶもこぼせないもの)

一粒も零せないもの

(これのなまえだって)

これの名前だって

(ぼくはもうしってる)

僕はもう知ってる

(だれもいないときいつもより)

誰もいない時　いつもより

(りびんぐそふぁおおきいきがして)

リビングソファ　大きい気がして

(ためらってそのままかえすひとみ)

躊躇って　そのまま　返す瞳

(ひとりではつかいきれないから)

一人では使い切れないから

(まよなかにふとめざめて)

真夜中に　ふと目覚めて

(りゆうないままとなりのへや)

理由ないまま　隣の部屋

(くらがりのなかでこきゅうが)

暗がりの中で呼吸が

(あすへのちずみたいなひびき)

明日への地図みたいな響き

(のぞきこんでふぉーかす)

覗き込んでフォーカス

(あたりまえになりかけ)

当たり前になりかけ

(なりきらないせかいがうつりつづけてるから)

なりきらない世界が映り続けてるから

(できるだけみらいまで)

出来るだけ未来まで

(しんけんにぴんとあわせて)

真剣にピント合わせて

(きみとおなじしゅんかんにいすわっていたいこのまま)

キミと同じ瞬間に居座っていたいこのまま

(それはねがいだって)

それは願いだって

(ぼくはもうしってる)

僕はもう知ってる

(ちいさなふぉとふれーむ)

小さなフォトフレーム

(ひとみにうつるしょうぞう)

瞳に映る肖像

(いつかのひ、ただながめていたそのまぶしさ)

いつかの日、ただ眺めていたその眩しさ

(とびらをあけたらいま)

扉を開けたら今

(にぎやかなほどおかえり)

賑やかなほど　おかえり

(いきをとめてうけとめた)

息を止めて受け止めた

(やわくてこそばゆい)

柔くてこそばゆい

(とおくてあこがれで)

遠くてあこがれで

(ひとつぶもこぼせないもの)

一粒も零せないもの

(これがしあわせって)

これが幸せって

(ぼくらもうしってる)

僕らもう知ってる