三日月

(ばっぐすらももてない)

バッグすらも持てない

(めしさえもおごれない)

飯さえも奢れない

(おんなのこころなんてよめたためしはない)

女の心なんて読めたためしはない

(きづかいもままならぬ)

気遣いもままならぬ

(にーとけんらっぱー)

ニート兼ラッパー

(ｗａｓｓｕｐかっぷめんふたりでわけような)

Wassupカップ麺2人で分けような

(いとよりもひもでむすばれている)

糸よりも紐で結ばれている

(びんぼうなｂ－ｂｏｙをささえたびじょ)

貧乏なB-BOYを支えた美女

(ちけんのあるばいとはからだがあぶないと)

治験のアルバイトは身体が危ないと

(しんぱいしかりたさんまんがまずさいしょ)

心配し借りた三万がまず最初

(かならずかえすほしょうのないおれをしんじ)

必ず返す保証のない俺を信じ

(おんがくにかけるおれにかけてくれたんだ)

音楽に掛ける俺に賭けてくれたんだ

(のぐちひぐちゆきちもおれにしたうち)

野口樋口諭吉も俺に舌打ち

(つめのさきかみちぎりできたみかづき)

爪の先噛みちぎり出来た三日月

(それでもあんたならやれると)

それでもあんたならやれると

(くちもとにできたそのまんめんのみかづきが)

口元に出来たその満面の三日月が

(おれをてらしてくれた)

俺を照らしてくれた

(へたくそなｌｅｔｔｅｒやぶれるな)

下手クソなletter破れるな

(ふたりでえがいたみらいは)

2人で描いた未来は

(ちいさなあのへやにしまいこんだ)

小さなあの部屋にしまい込んだ

(「いまさらあいしてなんてないさ」)

「今更愛してなんてないさ」

(いつわりのせりふがこだました)

偽りのセリフがこだました

(このまますろーにきざむすとーりー)

このままスローに刻むストーリー

(まるでびーるのあわのように)

まるでビールの泡のように

(ゆっくりうすれきえてゆく)

ゆっくり薄れ消えてゆく

(まなつにへやだけはがんがんのくーらー)

真夏に部屋だけはガンガンのクーラー

(もうふのなかからだかさねくるまった)

毛布の中身体重ねくるまった

(おたがいにさらけだすぜんしんのはだいろ)

お互いにさらけ出す全身の肌色

(たてたなかゆびいきさきはないしょ)

立てた中指行き先は内緒

(ことがすんだあとひをつけたえこーのあじが)

ことが済んだ後火を付けたエコーの味が

(いつにもましてうまいのはなぜ？)

いつにも増して美味いのは何故？

(ぬぎすてたしたぎつけっぱのｄｖｄ)

脱ぎ捨てた下着つけっぱのDVD

(そのままおやすみ)

そのままおやすみ

(といれのべんざあけっぱにしてて)

トイレの便座開けっぱにしてて

(いつもおこられてたひび)

いつも怒られてた日々

(せんたくものもほさず)

洗濯物も干さず

(なにがｈｉｐｈｏｐだよ)

何がhip hopだよ

(ってののしられてたひび)

って罵られてた日々

(だれよりもおれのだっせぇところをしってる)

誰よりも俺のダッセェところを知ってる

(おれよりもおれのことをしんじてくれてる)

俺よりも俺のことを信じてくれてる

(らっぱーのおれじゃなくて)

ラッパーの俺じゃなくて

(にんげんとしてでのおれをあいしてくれてる)

人間としてでの俺を愛してくれてる

(おれがいるからだいじょうぶだって)

俺がいるから大丈夫だって

(まもるからいっぽさがってみてろって)

守るから一歩下がって見てろって

(どやがおでいえたらくろうはしてない)

ドヤ顔で言えたら苦労はしてない

(あいにくできたおとこじゃない)

生憎出来た男じゃない

(おまえのともだちもくちをそろえ)

お前の友達も口を揃え

(こいつとわかれはよあいつにもどれ)

コイツと別れ早よアイツに戻れ

(どらまだったらばあくやくのかれし)

ドラマだったらば悪役の彼氏

(ねんしゅうはとうじまいなすのかせぎ)

年収は当時マイナスの稼ぎ

(それでもそばにいてくれた)

それでも側にいてくれた

(かこのおんなすらとっくにわすれた)

過去の女すらとっくに忘れた

(おまえとしあわせになりたいってより)

お前と幸せになりたいってより

(おまえとのふこうならばのりこえられんだよ)

お前との不幸ならば乗り越えられんだよ

(りょこうにいけなくたって)

旅行に行けなくたって

(でーとにもいけなくたって)

デートにも行けなくたって

(つれてくよるのぱわーすぽっと)

連れてく夜のパワースポット

(いにしゃるはｇよじょうはんでえがくらぶそんぐ)

イニシャルはG四畳半で描くラブソング