怖い話 - 顔のない女(2)
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問題文
(めがさめると、もうあさだった。きのうのつかれなのか、)
目が覚めると、もう朝だった。昨日の疲れなのか、
(なにかふわふわしたかんかくがした。がっこうにはもうしばらくいくつもりはないが、)
何かフワフワした感覚がした。学校にはもうしばらく行くつもりはないが、
(びようのために、かおはあらうことにした。わたしはもしはいごにかおのないおんながいたら)
美容のために、顔は洗うことにした。私はもし背後に顔のない女がいたら
(とおもうとこわかったので、かおをあらっているさいちゅうもぜったいにかがみをみない)
と思うと怖かったので、顔を洗っている最中も絶対に鏡を見ない
(ようにしていた。きのうとおなじように、かおあらいをすませてちょうしょくのじゅんびを)
ようにしていた。昨日と同じように、顔洗いを済ませて朝食の準備を
(しようとりびんぐのどあにてをかけると、また、せんめんじょのほうを)
しようとリビングのドアに手をかけると、また、洗面所の方を
(ふりむいてしまった。いや、ふりむいたというよりふりむかされたような)
振り向いてしまった。いや、振り向いたというより振り向かされたような
(かんかくだった。かんぜんにふりむくまえにりびんぐにはいるようどりょくをしたが、)
感覚だった。完全に振り向く前にリビングに入るよう努力をしたが、
(また、いっしゅんだけおんながみえてしまった。よくみなかったのでだんげんできないが、)
また、一瞬だけ女が見えてしまった。よく見なかったので断言できないが、
(かおがないだけでなく、かはんしんまでもがきえていたようなきがした。)
顔がないだけでなく、下半身までもが消えていたような気がした。
(「あれはただのげんかくだ。」とじぶんにいいきかせ、せっせとちょうしょくのしたくを)
「あれはただの幻覚だ。」と自分に言い聞かせ、せっせと朝食の支度を
(はじめた。あのおんながしたからみているようなきがして、)
始めた。あの女が下から見ているような気がして、
(きょうはしたもみないようにした。ちょうしょくをたべおわると、わたしはまたねどこにはいった。)
今日は下も見ないようにした。朝食を食べ終わると、私はまた寝床に入った。
(やはりあのかおのないおんながわすれられないからだ。)
やはりあの顔のない女が忘れられないからだ。
(そのあと、といれなどでなんどかおきたものの、ほとんどをべっどのうえですごし、)
その後、トイレなどで何度か起きたものの、ほとんどをベッドの上で過ごし、
(またあさをむかえた。きのうしっかりねたからか、きぶんがらくになっていた。)
また朝を迎えた。昨日しっかり寝たからか、気分が楽になっていた。
(ただ、きのうはろくにうごいてもいないのに、なんだかからだがだるかった。)
ただ、昨日はロクに動いてもいないのに、なんだか体がだるかった。
(きょうもいつもどおりかおをあらった。また、きのうとおなじように、)
今日もいつも通り顔を洗った。また、昨日と同じように、
(けっしてかがみはみないようにした。かおをあらいおわると、りびんぐへとむかった。)
決して鏡は見ないようにした。顔を洗い終わると、リビングへと向かった。
(できるだけうしろをみないようにしていたが、またみてしまった。)
できるだけ後ろを見ないようにしていたが、また見てしまった。
(しかし、そこにはだれもいなかった。「やっぱりげんかくだったか~。」)
しかし、そこには誰もいなかった。「やっぱり幻覚だったか~。」
(とあんどした。がっこうへいってもよかったが、きょうはいえのちかくを)
と安堵した。学校へ行ってもよかったが、今日は家の近くを
(さんぽするだけにとどめた。さんぽのとちゅう、わたしはともだちをみつけた。)
散歩するだけにとどめた。散歩の途中、私は友達を見つけた。
(しかし、わたしがあるいていても、それにまったくはんのうをしめさずにとおりすぎていった。)
しかし、私が歩いていても、それに全く反応を示さずに通り過ぎて行った。
(さいしょわたしはこれが「しかと」ってやつか...とおもっていたが、)
最初私はこれが「シカト」ってやつか...と思っていたが、
(ほんのうてきにそうではないきがした。じぶんのすがたがなにかしらいつもとちがうのか)
本能的にそうではない気がした。自分の姿が何かしらいつもと違うのか
(とおもって、ひさしぶりにかがみにうつるじぶんをみてみた。)
と思って、久しぶりに鏡に映る自分を見てみた。
(そのちょくご、わたしはきぜつした。)
その直後、私は気絶した。