月詠み　逆転劇

(たとえばこのよのぜんぶをほろぼせる)

例えばこの世の全部を滅ぼせる

(きょうだいなまほうでさえこわせない)

強大な魔法でさえ壊せない

(しんでもうばわせはしない)

死んでも奪わせはしない

(このこころだけはだれにも)

この心だけは誰にも

(ないだけしきにさかせる)

凪いだ景色に咲かせる

(うけみぞうむそううかぶせときぼう)

有卦 未曾有 夢想　浮かぶ瀬と希望

(りそうでげんじつをなぐような)

理想で現実を薙ぐような

(そんなばんくるわせをかなえようか)

そんな番狂わせを叶えようか

(すいこうのすえいたるあいろで)

推敲の末　至る隘路で

(そうてんがかげるじんせいだって)

蒼天が翳る人生だって

(それでもなにかをしんじていきていた)

それでも何かを信じて生きていた

(たとえばこのよのぜんぶをかえられる)

例えばこの世の全部を変えられる

(かれきにはなをさかせるほどのきせきを)

枯れ木に花を咲かせるほどの奇跡を

(げんじつにするくらいつよくなれたなら)

現実にするくらい強くなれたなら

(きずついてわらうのがつよさとか)

傷ついて笑うのが強さとか

(まもるためうばうのがせいぎとか)

守るため奪うのが正義とか

(こたえをみつけられぬまままどえるぼくらをみちびけ)

答えを見つけられぬまま惑える僕らを導け

(ついおくはあめのめろでぃそのむこうになにをみる？)

追憶は雨のメロディ　その向こうに何を見る？

(ふりやまぬぜつぼうがうみとかしせかいをのみこんだ)

降り止まぬ絶望が海と化し世界を飲み込んだ

(ほっするゆえにとどかないてにいれたがゆえにうしなう)

欲する故に届かない手に入れたが故に喪う

(のぞんでうまれたわけじゃない)

望んで生まれたわけじゃない

(りゆうをとうなんてばかみたいだ)

理由を問うなんて馬鹿みたいだ

(どんてんもはらうひかりならせいさんなたびじだっていける)

曇天も払う光なら凄惨な旅路だって往ける

(いつでもなにかにこがれていきてきた)

いつでも何かに焦がれて生きてきた

(いてつくこころでさえとかすおもいが)

凍てつく心でさえ溶かす想いが

(ざんこくなせかいをいきるりゆうにかわる)

残酷な世界を生きる理由に変わる

(うしなってもいいとあるきだせるほどに)

喪ってもいいと歩き出せるほどに

(はてのないくらいやみでなければ)

果てのない暗い闇でなければ

(かすかなひかりもみえずにいた)

幽かな光も見えずにいた

(ひげきはすこしのきせきでぎゃくてんげきになる)

悲劇は少しの奇跡で逆転劇になる

(たとえばこのよのぜんぶをほろぼせる)

例えばこの世の全部を滅ぼせる

(きょうだいなまほうでさえこわせない)

強大な魔法でさえ壊せない

(そうだろ)

そうだろ

(なげきもいたみもなにもむだじゃないと)

嘆きも痛みもなにも無駄じゃないと

(わらえられるあしたをみてみたい)

笑えられる明日を見てみたい