月と凪

(はるかなよびごえこがねそよぐちへい)

遥かな呼び声　黄金そよぐ地平

(いくどとなくこだまときそいとどけよ)

幾度となくこだまと　競い届けよ

(ほのめくあかりがくもまにのぞけば)

仄めく明かりが　雲間に覗けば

(ゆかしすがたまばゆくめをすます)

ゆかし姿　まばゆく　目を澄ます

(うすいろただおのがあかし)

薄色　ただ己が証

(なでるようにやさしくこうこうと)

なでるように　やさしく煌々と

(ゆめかうつつついのこころ)

夢か 現 対 の心

(ゆきちがうほどなすすべなく)

行き違うほどなす術なく

(こよいいのちふたつかさねあわせてあゆみだそう)

今宵命二つ　重ね合わせて　歩みだそう

(ゆるりとしぜんないぶきのもとに)

ゆるりと自然な　息吹のもとに

(ゆうきゅうのときちかう)

悠久の時誓う

(ともにうてなよりみはるかす)

ともにうてなより見晴るかす

(ひさかたのあまつかぜ)

ひさかたの天つ風

(まどういたみしずめうつし)

惑う　痛み　鎮め　映し

(つきとなぎはかたらう)

月と凪は語らう

(まなざしいぬけばついにおもいゆるし)

眼差し射抜けば　ついに想い許し

(たどるえにしのちへとおりなしてゆく)

たどる縁　後へと　織りなしてゆく

(うつくしまんげつなみまにゆらめき)

美し満月　波間に揺らめき

(なごやかなりしじまのみずかがみ)

和やかなり　しじまの水鏡

(ひとえにただおもむくまま)

ひとえに　ただ趣くまま

(このみあずけひとときをたゆたい)

この身預けひと時をたゆたい

(わかちつなぐふかききずな)

分かち 繋ぐ 深き 絆

(ひとしくいまおもててらす)

等しく今面照らす

(こよいみはてぬゆめつむぎあわせていいかわせば)

今宵見果てぬ夢　紡ぎ合わせて　言い交せば

(あまたのおもいがあふれいろめき)

あまたの思いが　あふれ色めき

(ごしきをかがやかせる)

五色を輝かせる

(あきることもなしあたらしさ)

飽きることもなし　新しさ

(ぬばたまのよふけても)

ぬばたまの夜更けても

(きよきえみとふたりたたえ)

清き　笑みと　ふたり　たたえ

(うきばしにてかたらう)

浮橋にて語らう

(いつしかそらしらみはじめ)

いつしか　空白みはじめ

(しらぬうちにあさひがさしいずる)

知らぬうちに朝日がさし出る

(つきぬことばさめぬほてりか)

尽きぬ 言葉 醒めぬ ほてり

(かえりついたしめすありか)

返り着いた示す在り処

(こよいいのちふたつかさねあわせてあゆみだそう)

今宵命二つ　重ね合わせて　歩みだそう

(ゆるりとしぜんないぶきのもとに)

ゆるりと自然な　息吹のもとに

(ゆうきゅうのとききざむ)

悠久の時刻む

(ともにうてなよりみはるかす)

ともにうてなより見晴るかす

(ひさかたのあまつかぜ)

ひさかたの天つ風

(まどういたみしずめうつし)

惑う　痛み　鎮め　映し

(つきとなぎさはかたらう)

月と凪は語らう