前序

問題文
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(ひそかにぐあんをめぐらせて ほぼ、ここんをかんがみるに)
竊かに愚案を廻らせて 粗、古今を勘みるに、
(せんしのくでんのしんしんにことなることをなげき)
先師の口伝の真信に異なることを歎き
(こうがくそうぞくのぎわくあることをおもうに、)
後学相続の疑惑あることを思うに、
(さいわいにうえんのちしきによらずは)
幸いに有縁の知識によらずは、
(いかでかいぎょうのいちもんにいることをえんや)
いかでか易行の一門に入ることをえんや
(まったくじけんのかくごをもって たりきのしゅうしをみだることなかれ)
全く自見の覚悟を以て 他力の宗旨を乱ることなかれ
(よってこしんらんしょうにんのおんものがたりのおもむき、みみのそこにとどまるところ)
よって故親鸞聖人の御物語の趣、耳の底にとどまるところ
(いささかこれをしるす。)
いささかこれをしるす。
(ひとえにどうしんぎょうじゃの、ふしんをさんぜんがためなり)
ひとえに同心行者の、不審を散ぜんガためなり