メルヒェン

(しんじきっていたせかいのかたちだって)

信じきっていた世界の形だって

(きみのまわりをまわりだして)

君の周りを廻り出して

(みぎのほうにかたむいた)

右の方に傾いた

(このてのなかにゆめもなにもなくて)

この手の中に夢も何もなくて

(だけどなにかここにあってむねをじりじりやいた)

だけど何かここにあって胸をジリジリ焼いた

(こいしいひとがきみをだきしめてくれたら)

恋しい人が君を抱きしめてくれたら

(あいまいなゆめがちつじょのそこをうちぬいた)

曖昧な夢が秩序の底を打ち抜いた

(からっぽになって)

からっぽになって

(ぼくらははこのなかをみていた)

僕らは箱の中を見ていた

(はこのそとどこにいるのかしらないだけだった)

箱の外どこにいるのか知らないだけだった

(ａｒｔｉａ．．．ｓｏｒｔｉ　ａｈ)

artia...sorti ah

(それはきみがわすれてたつたえばなしににていた)

それは君が忘れてた伝え話しに似ていた

(ちんもくをさがすために)

沈黙を探す為に

(くちをとざせないぼくたちが)

口を閉ざせないぼくたちが

(かたりつぐ)

語り継ぐ

(むくなどうわをぼくたちはいきていた)

無垢な童話をぼくたちは生きていた

(いとおしさというのいずを)

愛しさというノイズを

(ほしがってほしがって)

欲しがって欲しがって

(むねをじりじりやいた)

胸をジリジリ焼いた

(さかだてていたきもちをそぎおとした)

逆立てていた気持ちを削ぎ落とした

(ここにあるものがたりはとてもしんぷるだった)

ここにある物語はとてもシンプルだった

(うろたえたままぼくらははこのそと)

狼狽えたまま僕らは箱の外

(それともふかいはこのなか)

それとも深い箱の中

(さいごのぺーじをこえてたびだった)

最後の頁を超えて旅立った

(ａｒｉａ　ｓｏｒｔｉｏ　ａｄｉ)

aria sortio adi

(１おくたーぶはずしてぼくらはうたう)

1オクターブ外して僕らは歌う

(ｅｓｔｏｒａ　ａｒｉａ　ｓｏｒｔｉ)

estora aria sorti

(ｉｓｔａ　ｉ．．．)

ista i...

(よろこびのざんぞうみらいもそこにあって)

歓びの残像未来もそこにあって

(きみとまだわらいあって)

君とまだ笑い合って

(なにかはかないものが)

何か儚いものが

(みえた)

見えた