天照ラセ

(とおいとおいむかしからいいつたえはありまして)

遠い遠い昔から　言い伝えはありまして

(よみかけのほんのつづき)

読みかけの本の続き

(ありがたくないことに)

ありがたくないことに

(むしたちはそうぞうしくていやになる)

虫達は騒々しくて　嫌になる

(どうやらなつはもうすぐそこまできていて)

どうやら夏はもう　すぐそこまで来ていて

(かぜのにおいをかんじる)

風の匂いを感じる

(ちょうどまさにきょうみたいな)

ちょうどまさに今日みたいな

(ゆめみたいなあのひのことおもいだすんだ)

夢みたいなあの日のこと　思い出すんだ

(ひかりをまとったそれはまるで)

光を纏った　それはまるで

(そらをかけるながれぼしのようで)

天を駆ける　流れ星のようで

(ほらうごきだしたんだ)

ほら　動き出したんだ

(わたしのわたしたちのなつが)

私の　私達の　夏が

(こぼれそうなあふれそうなほしぞらを)

こぼれそうな　溢れそうな　星空を

(めざしかけていった)

目指し　駆けていった

(ちいさなちいさな)

小さな　小さな

(ながれぼしは)

流れ星は

(ものくろなただのまいにちを)

モノクロな　ただの毎日を

(ひにちじょうにそめていく)

非日常に染めていく

(たとえどんなからいこと)

例えどんな　辛いこと

(くるしいことなきだしたいこと)

苦しいこと　泣き出したいこと

(なにがあってもだいじょうぶだから)

何があっても大丈夫だから

(ほらねがうんだ)

ほら　願うんだ

(かけてゆけ)

駆けてゆけ

(あまてらせ)

天照ラセ

(ちょっとだけせのびしてあまくないこーひーをのむ)

ちょっとだけ背伸びして　甘くないコーヒーを飲む

(やっぱりまだはやかったみたい)

やっぱりまだ早かったみたい

(むじゃきなこのじかんが)

無邪気なこの時間が

(ずっとずっとつづけばいいなって)

ずっとずっと　続けばいいなって

(ねがってたけど)

願ってたけど

(さよならのときもうなかないと)

さよならのとき　もう泣かないと

(かわしたやくそくいまでもいきてる)

交わした約束　今でも生きてる

(ほらながれだしたんだ)

ほら　流れ出したんだ

(わたしのわたしたちのときが)

私の　私達の　刻が

(こぼれそうなあふれそうなかなしみの)

こぼれそうな　溢れそうな　悲しみの

(ながれぼしはもうみせられないみまもっているから)

流れ星はもう　見せられない　見守っているから

(もうふりむかない)

もう　振り向かない

(しあわせをつかむんだ)

幸せを　掴むんだ

(どこまでいけるか)

どこまで行けるか

(まだまだまだまだ)

まだまだまだまだ

(さきはみえないけど)

先は見えないけど

(いまはもうひとりじゃないんだ)

今はもう一人じゃないんだ

(てをのばせ)

手を伸ばせ

(こぼれそうなあふれそうなほしぞらを)

こぼれそうな　溢れそうな　星空を

(めざしかけていった)

目指し駆けていった

(ちいさなちいさなながれぼしは)

小さな小さな流れ星は

(しあわせにたどりつけたんだ)

幸せに　辿り着けたんだ

(ふたすじのあまつきつね)

二筋のアマツキツネ

(たとえどんなからいこと)

例えどんな　辛いこと

(くるしいことなきだしたいこと)

苦しいこと　泣き出したいこと

(なにがあってもだいじょうぶだから)

何があっても大丈夫だから

(ほらえいえんに)

ほら　永遠に

(かけてゆけ)

駆けてゆけ

(あまてらせ)

天照ラセ

(えいえんに)

永遠に