空疎世界の前奏曲

(どうやらせかいはからっぽにくちはてたようで)

どうやら世界は空っぽに朽ち果てたようで

(どんなにさけんでもだれもふりむかないようです)

どんなに叫んでも誰も振り向かないようです

(みずはふひつようかれないはなをあつめて)

水は不必要 枯れない花を集めて

(きみにみたてたあわれなぼくをせめるんだ)

君に見立てた　哀れな僕を責めるんだ

(ここからみえるけしきはまがいものなんです)

ここから見える景色は紛い物なんです

(あじのないかじつとおなじあじがするんです)

味のない果実と同じ味がするんです

(じょうしきひじょうしきだれがきめつけたのですか)

常識　非常識　誰が決めつけたのですか

(はみだしものをかくりしたいろのないせかい)

はみ出し者を隔離した色のない世界

(ようはいいこをえんじてせんにならってんだ)

要はいい子を演じて線に倣ってんだ

(そりゃいみなんてないだろう)

そりゃ意味なんてないだろう

(たかなってるなってるきみのみが)

高鳴ってる　生ってる君の実が

(またかまととぶってるきみのみが)

また　カマトトぶってる君のみが

(きえたいしにたいとかうるさいな)

消えたい　死にたい　とか五月蠅いな

(ならかってにきえろよ)

なら勝手に消えろよ

(あいしてあいしてぼくのこと)

愛して　愛して　僕のこと

(みつめてにぎってよぼくのてを)

見つめて握ってよ僕の手を

(しらないせかいにきえていく)

知らない世界に消えていく

(きみをよこめでみてた)

君を横目で見てた

(そこからみえるけしきはなにいろですか)

そこから見える景色は何色ですか

(どうしてじぶんをすててまでいきたいのですか)

どうして自分を捨ててまで生きたいのですか

(そもそもそれはいきてるといえるのですか)

そもそもそれは生きてると言えるのですか

(つぎはおまえだだれかをおとしめるうぉーげーむ)

「次はお前だ」誰かを貶めるウォーゲーム

(ちょうになりたいなってわらったきみはもういないの)

「蝶になりたいな」って笑った君はもういないの

(そりゃいみなんてないだろう)

そりゃ意味なんてないだろう

(たたかってるかってるきみのめが)

戦ってる　駆ってる　君の目が

(かたまってるまってるきみのめが)

固まってる　待ってる　君の芽が

(ことばのじゅうあつはとめどなく)

言葉の重圧は止め処なく

(きみをおしつぶして)

君を押し潰して

(ないてないてきずついて)

泣いて　哭いて　傷ついて

(あしがしびれてたてないや)

足が痺れて立てないや

(こわれたおもちゃはごみばこへ)

壊れたおもちゃはゴミ箱へ

(にげだすゆうきもない)

逃げ出す勇気もない

(なんだなんだぼくらはなんだ)

何だ　何だ　僕らは何だ

(だいたいひんとかいいますか)

代替品とか言いますか

(そうだそうだみばえがいいや)

そうだ　そうだ　見栄えがいいや

(ことばをさいてぬりかえた)

言葉を裂いて塗り替えた

(じんせいなんてだれのでもない)

人生なんて誰のでもない

(おまえじしんのもちものだ)

お前自身の持ち物だ

(いきたいようにいきろ)

生きたいように生きろ

(いいたいことあんならいってやれ)

言いたいことあんなら言ってやれ

(やりたいことあんならやっちまえ)

やりたいことあんならやっちまえ

(むりだできないとかうるさいな)

無理だ　できない　とか五月蠅いな

(おまえがきめつけるな)

お前が決めつけるな

(あいしてあいしてぼくのこと)

愛して　愛して　僕のこと

(あいするよちかうよきみのこと)

愛するよ　誓うよ　君のこと

(みえないみらいにあゆんでく)

見えない未来に歩んでく

(ぼくをよこめにみてた)

僕を横目に見てた