遺伝　斉藤和義

(うんがいいとかわるいとか)

運がいいとか悪いとか

(かみがいるとかいないとか)

神がいるとかいないとか

(いでんするのはかおだけか)

遺伝するのは顔だけか

(それともたましいまるごとか)

それとも魂丸ごとか

(ひとはだれでもびょうどうで)

人は誰でも平等で

(いつかどりょくはむくわれる)

いつか努力は報われる

(とってつけたようなきれいごとだけれど)

取って付けたような綺麗事だけれど

(しんじてみなけりゃはじまらぬ)

信じてみなけりゃ始まらぬ

(たたかってみるかおそくはないさ)

闘ってみるか　遅くはないさ

(ないてもいいやおまえとなら)

泣いてもいいや　おまえとなら

(どこへいくのかこのみちは)

何処へ行くのかこの道は

(ずっとけしきはかわらぬまま)

ずっと景色は変わらぬまま

(ゆずれないものいだいたまま)

譲れないもの抱いたまま

(つめたいかぜがほほをうつ)

冷たい風が頬を打つ

(だましたほうがわるいのか)

騙した方が悪いのか

(だまされたやつがばかなのか)

騙された奴が馬鹿なのか

(おまえもおれもながすのは)

おまえもおれも流すのは

(おなじとうめいのなみだじゃないか)

同じ透明の涙じゃないか

(ひとはだれでもびょうどうで)

人は誰でも平等で

(やりなおせるさいまからだって)

やり直せるさ今からだって

(はのうくようなきれいごとだけれど)

歯の浮くような綺麗事だけれど

(うまれたからにはしあわせに)

生まれたからには幸せに

(たたかってみるかおそくはないさ)

闘ってみるか　遅くはないさ

(ないてもいいやおまえとなら)

泣いてもいいや　おまえとなら

(がんばるやつなどださいやつ)

頑張る奴などダサい奴

(さぼりじょうずのまけおしみ)

サボり上手の負け惜しみ

(とくにほこれることもなく)

特に誇れる事もなく

(のこしてやれるものもなく)

残してやれる物もなく

(ゆずれないものいだいたまま)

譲れないもの抱いたまま

(みられているのはこのせなか)

見られているのはこの背中

(いでんするのはかおだけか)

遺伝するのは顔だけか

(それともたましいまるごとか)

それとも魂丸ごとか

(うんがいいとかわるいとか)

運がいいとか悪いとか

(かみがいるとかいないとか)

神がいるとかいないとか

(いまさらどっちでもしったことかよ)

今さらどっちでも知ったことかよ

(しんじてみなけりゃはじまらぬ)

信じてみなけりゃ始まらぬ

(たたかってみたよまけちゃったけれど)

闘ってみたよ　負けちゃったけれど

(でもこのすがすがしさはなんなんだ)

でもこの清々しさはなんなんだ

(いでんするのはかおだけか)

遺伝するのは顔だけか

(それともたましいまるごとか)

それとも魂丸ごとか