こどものせかい

(おもちゃのはこにわわたしのせかい)

おもちゃの箱庭　わたしの世界

(あのときもらっただいじなだいじなたからもの)

あの時もらった　大事な大事な宝物

(まほろばのひかりがわたしをとりまいて)

まほろばの光が　私をとりまいて

(ひとりであそぶにはすこしひろすぎるわ)

一人で遊ぶには少し　広すぎるわ

(にんぎょうあそびにゆれるもくばにもあきたなら)

人形遊びに　揺れる木馬にも飽きたなら

(いっしょにあそぼう)

「一緒に遊ぼう」

(はじめてなまえをよばれたきがした)

初めて名前を呼ばれた気がした

(きらめくほしのにじふたりわるつおどろう)

煌めく星の虹　二人ワルツ踊ろう

(おるごーるがなりけーきにひをともしたら)

オルゴールが鳴り　ケーキに火を灯したら

(あわいひかりがさしこむくらいくらいちかにも)

淡い光が射し込む　暗い暗い地下にも

(あなたはだれ)

「あなたは誰？」

(はじめましていおう)

「はじめまして」言おう

(おもちゃのはこにわふたりのせかい)

おもちゃの箱庭　二人の世界

(あなたといっしょでならさびしくなかった)

あなたと一緒でなら　寂しくなかった

(ひろげたらくがきちょういびつなせんでえがかれてる)

広げたラクガキ帳　歪な線で描かれてる

(わたしとあなたはひかえめだけどりっぱなおひめさま)

私とあなたは　控えめだけど立派なお姫様

(おもちゃとほしのにじみんなでわるつおどろう)

おもちゃと星の虹　みんなでワルツ踊ろう

(ふぁんふぁーれがなりへいたいたちのぱれーど)

ファンファーレが鳴り　兵隊たちのパレード

(おもいおもいにもつはすてこどものせかいへいこう)

重い重い荷物は捨て　こどものせかいへ行こう

(ずっといっしょよどこにもきえないで)

「ずっと一緒よ　どこにも消えないで」

(ひとりはたださびしくて)

一人は　ただ寂しくて

(なにかにおびえてすごした)

何かに怯えて　過ごした

(わたしがずっとほしかったもの)

私がずっと欲しかったもの

(それすらいつかみうしなっていた)

それすらいつか　見失っていた

(おもえばこわかったんだ)

思えば怖かったんだ

(あなたをうしなうこと)

あなたを失うこと

(ずっとずっとずっとてをのばしていた)

ずっとずっとずっと　手を伸ばしていた

(せぴあのこどもべやおもちゃがしきつめられ)

セピアの子供部屋　おもちゃが敷き詰められ

(となりでわらってるあなたはきっとこわれてた)

隣で嗤ってる　あなたはきっと壊れてた

(なにもかも)

何もかも

(すすけたあかいへやほんとうはぜんぶしってた)

煤けた赤い部屋　本当は全部知ってた

(あなたはわたしよきょうきにまみれたわたし)

あなたは私よ　狂気にまみれた私

(さよならわたしはもうひとりであるかなくちゃね)

さよなら　私はもう一人で歩かなくちゃね

(きょうはおやすみわたしのたったひとりだけの)

今日はおやすみ　私のたった一人だけの

(だいじなわたし)

大事なわたし

(おもちゃのはこにわちいさなへや)

おもちゃの箱庭　小さな部屋

(いまはもうでかけなくちゃそっとかぎかけた)

今はもう出かけなくちゃ　そっと鍵かけた