遠景
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歌詞(問題文)
(えんじんをとめてざせきをひいた)
エンジンを止めて、座席を引いた。
(まちあかりがおおきなとうだいみたいにめいめつした)
街灯りが、大きな灯台みたいに明滅した。
(きれいとひとこときみがいう)
「綺麗」と一言、君が言う。
(きれいだとぼくはまちをみない)
「綺麗だ」と、僕は街を見ない。
(こうそくにはぼくらだけのようにおもえた)
高速には僕らだけのように思えた。
(ほぼとうかんかくだろうかとらっくがなんだいもなんだいもゆく)
ほぼ等間隔だろうか。トラックが何台も、何台も往く。
(かいわはないだがゆうべんすぎるほどかたる)
会話はない、だが雄弁過ぎるほど語る。
(ぼくはわすれられるだろうかあなたはどうだろうか)
僕は忘れられるだろうか。あなたは、どうだろうか。
(はしのしたではなしにつけた)
橋の下で、話に点けた。
(ぼくらがすぎたひびのあかり)
僕らが過ぎた日々の灯。
(まひるのようにひかってみえた)
真昼のように光って見えた。
(まぶしかったまぶしかった)
眩しかった。眩しかった。
(ここちのよいくうふくよるはながい)
心地の良い空腹、夜は長い。
(みちをまちがえることをぼくらはよしとした)
道を間違えることを僕らは良しとした。
(きょうはんしゃとしていられるように)
共犯者として居られるように。
(にんげんだからまちがえられないから)
人間だから、間違えられないから、
(せめてもどれるていどにそれてみるのだ)
せめて戻れる程度に逸れてみるのだ。
(きどらないあいづちはむずかしい)
気取らない合槌は難しい。
(うんとだけほんとうにそれだけ)
「うん」とだけ。本当にそれだけ。
(つぎはどちらがはじめるばんかどちらがさきにおちていくか)
次はどちらが始める番か。どちらが先に落ちていくか。
(でんわではきこえないむごんのかいわ)
電話では聞こえない、無言の会話。
(そしたらきっとらくになるわたしたちは)
そしたらきっと楽になる。私たちは
(はしのしたではなしにつけた)
橋の下で、話に点けた。
(ぼくらがすぎたひびのあかし)
僕らが過ぎた日々の証。
(まひるのようにひかってみえた)
真昼のように光って見えた。
(まぶしかったまぶしかった)
眩しかった。眩しかった。
(よるのしたでぼくらみつけた)
夜の下で、僕ら見つけた。
(とっくにすぎたことばのきげん)
とっくに過ぎた、言葉の期限。
(いまさらだよなそんなことばが)
今更だよな。そんな言葉が
(いまさらなんだいまさらだった)
今更なんだ。今更だった。