in/疎夢/near

(けしてやまぬあめに)

けして止まぬ雨に

(けしてきえぬきずに)

けして消えぬ傷に

(けしてみえぬかげに)

けして見えぬ影に

(かたちのないゆめを)

容の無い夢を

(たったひとつたしかなことがある)

たったひとつ確かなことがある。

(きのうときょうのわたしたち)

昨日と今日の私たち

(それがそれでそれを)

それが　それで　それを

(どうしてもひとつにつなげない)

どうしてもひとつに繋げない。

(だんぜつするしゅかんさしはさんだら)

断絶する主観さしはさんだら

(それのあとさきかわりなく)

それの後先変わり無く

(それのそれをそれに)

それの　それを　それに

(どうしてもせつめいがつかない)

どうしても説明がつかない

(なかになかにゆめのまま)

中に中に夢の侭

(ひとりひとりゆめのまま)

疎り疎り夢の侭

(ちかくちかくゆめのまま)

近く近く夢の侭

(わたしはしずみゆく)

＊＊＊は沈み行く

(わたしわたしわたしだけ)

わたし／私／自分だけ

(ふかくふかくどこまでも)

深く深くどこまでも

(ゆいいつこれとわかるまで)

唯一これとわかるまで

(わたしをねむらせないでまだ)

＊＊＊を眠らせないで、まだ

(みにおぼえのないきずがひとつ)

身に覚えのない傷がひとつ。

(しりようのないこたえひとつ)

知りようのない答えひとつ。

(それがそれにそれで)

それが　それに　それで

(どうしてもしんじられはしない)

どうしても信じられはしない。

(だいじょうぶあなたはあなただけ)

大丈夫、あなたはあなただけ。

(そのほしょううしなったのは)

その保証失ったのは

(あなたあなたあなたのせいでしょう)

あなた／あなた／あなたのせいでしょう？

(なんてすくえないの)

なんて救えないの。

(なかになかにゆめのまま)

中に中に夢の侭

(ひとりひとりゆめのまま)

疎り疎り夢の侭

(ちかくちかくゆめのまま)

近く近く夢の侭

(わたしがまわってる)

＊＊＊が廻ってる

(だれかだれかそばにいて)

誰か誰か傍に居て

(だれもそばにきてはだめ)

誰も傍に来てはだめ

(じぶんをひとりにしてよ)

自分を一人にしてよ

(わたしをねむらせないでもう)

＊＊＊を眠らせないで、もう…

(かけている)

欠けている！

(じぶんがしだいにこぼれていって)

自分が次第に零れていって

(うらぎるのじぶんが)

裏切るの自分が。

(ゆめあるかぎりにああ)

夢ある限りに、嗚呼！！

(なかになかにゆめのまま)

中に中に夢の侭

(ひとりひとりゆめのまま)

疎り疎り夢の侭

(ちかくちかくゆめのまま)

近く近く夢の侭

(わたしはどこまでも)

＊＊＊はどこまでも

(もはやもはやこれいじょう)

もはやもはやこれ以上

(せめてせめてこれいじょう)

せめてせめてこれ以上

(どうかどうかこれいじょう)

どうかどうかこれ以上

(わたしをねむらせないでああ)

＊＊＊を眠らせないで、嗚呼…