夏目漱石「こころ」3-9
夏目漱石の「こころ」(下)でございます。
なるべく原文ママで問題を設定しておりますので、誤字なのか原文なのかややこしいとは思われますが最後までお付き合い下さい。
次:https://typing.twi1.me/game/375667
オリジナルの書き方・読み方については以下に載せますので、参考の程よろしくお願い致します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1:喜こびました(よろこびました)
19:此方(こっち)
23:休暇(やすみ)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
お待たせしました。期間が開いてしまいました。
順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ぽむぽむ | 5680 | A | 6.0 | 94.4% | 258.8 | 1562 | 92 | 30 | 2024/11/29 |
2 | mame | 5443 | B++ | 5.6 | 96.9% | 277.2 | 1558 | 49 | 30 | 2024/12/08 |
3 | sada | 3270 | D | 3.4 | 96.3% | 459.5 | 1563 | 60 | 30 | 2025/01/04 |
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問題文
(みんなわたくしのかおをみてよろこびました。)
みんな私の顔を見て喜こびました。
(わたくしはまたちちやははのいたときより、)
私は又父や母の居た時より、
(かえってにぎやかでようきになったいえのようすをみてうれしがりました。)
却ってにぎやかで陽気になった家の様子を見て嬉しがりました。
(おじはもとわたくしのへやになっていたひとまをせんりょうしているいちばんめのおとこのこを)
叔父はもと私の部屋になっていた一間を占領している一番目の男の子を
(おいだして、わたくしをそこへいれました。)
追い出して、私を其所へ入れました。
(ざしきのかずもすくなくないのだから、わたくしはほかのへやでかまわない)
座敷の数も少なくないのだから、私はほかの部屋で構わない
(とじたいしたのですけれども、)
と辞退したのですけれども、
(おじはおまえのうちだからといって、ききませんでした。)
叔父は御前の宅だからと云って、聞きませんでした。
(わたくしはおりおりなくなったちちやははのことをおもいだすほかに、)
私は折々亡くなった父や母の事を思い出す外に、
(なんのふゆかいもなく、そのひとなつをおじのかぞくとともにすごして、)
何の不愉快もなく、その一夏を叔父の家族と共に過ごして、
(またとうきょうへかえったのです。)
又東京へ帰ったのです。
(みんなわたくしのかおをみてよろこびました。)
みんな私の顔を見て喜こびました。
(ただひとつそのなつのできごととして、わたくしのこころにむしろうすぐらいかげをなげたのは、)
ただ一つその夏の出来事として、私の心にむしろ薄暗い影を投げたのは、
(おじふうふがくちをそろえて、)
叔父夫婦が口を揃えて、
(まだこうとうがっこうへはいったばかりのわたくしにけっこんをすすめることでした。)
まだ高等学校へ入ったばかりの私に結婚を勧める事でした。
(それはぜんごでちょうどさんよんかいもくりかえされたでしょう。)
それは前後で丁度三四回も繰り返されたでしょう。
(わたくしもはじめはただそのとつぜんなのにおどろいただけでした。)
私も始めはただその突然なのに驚ろいただけでした。
(にどめにははっきりことわりました。)
二度目には判然断りました。
(さんどめにはこっちからとうとうそのりゆうをはんもんしなければならなくなりました。)
三度目には此方からとうとうその理由を反問しなければならなくなりました。
(かれらのしゅいはたんかんでした。)
彼等の主意は単簡でした。
(はやくよめをもらってここのいえへかえってきて、)
早く嫁を貰って此所の家へ帰って来て、
(なくなったちちのあとをそうぞくしろというだけなのです。)
亡くなった父の後を相続しろと云うだけなのです。
(いえはやすみになってかえりさえすれば、それでいいものとわたくしはかんがえていました。)
家は休暇になって帰りさえすれば、それで可いものと私は考えていました。
(ちちのあとをそうぞくする、それにはよめがひつようだからもらう、)
父の後を相続する、それには嫁が必要だから貰う、
(りょうほうともりくつとしてはひととおりきこえます。)
両方とも理窟としては一通り聞こえます。
(ことにいなかのじじょうをしっているわたくしには、よくわかります。)
ことに田舎の事情を知っている私には、能く解ります。
(わたくしもぜったいにそれをきらってはいなかったのでしょう。)
私も絶対にそれを嫌ってはいなかったのでしょう。
(しかしとうきょうへしゅぎょうにでたばかりのわたくしには、それがとおめがねでものをみるように、)
然し東京へ修行に出たばかりの私には、それが遠眼鏡で物を見るように、
(はるかさきのきょりにのぞまれるだけでした。)
遥か先の距離に望まれるだけでした。
(わたくしはおじのきぼうにしょうだくをあたえないで、ついにまたわたくしのいえをさりました。)
私は叔父の希望に承諾を与えないで、ついに又私の家を去りました。