夏目漱石「こころ」3-13

夏目漱石の「こころ」(下)でございます。
なるべく原文ママで問題を設定しておりますので、誤字なのか原文なのかややこしいとは思われますが最後までお付き合い下さい。
次:https://typing.twi1.me/game/379218
オリジナルの書き方・読み方については以下に載せますので、参考の程よろしくお願い致します。
今回は差別的な言葉が出てきておりますが、オリジナルの表現を尊重して原文のまま載せております。
何卒ご理解の程よろしくお願い致します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
9:質(たち)
12:跪ずきました(ひざまずきました)
15:横わる(よこたわる)
19:掌(たなごころ)
19:翻えす(ひるがえす)
22:美くしい(うつくしい)
25:心の中(こころのうち)
30:盲目(めくら)
39:行先(ゆくさき)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | teea | 7162 | 王 | 7.4 | 96.3% | 267.8 | 1994 | 76 | 39 | 2025/03/28 |
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問題文
(わたくしのしょうぶんとしてかんがえずにはいられなくなりました。)
私の性分として考えずにはいられなくなりました。
(どうしてわたくしのこころもちがこうかわったのだろう。)
どうして私の心持がこう変ったのだろう。
(いやどうしてむこうがこうかわったのだろう。)
いやどうして向うがこう変ったのだろう。
(わたくしはとつぜんしんだちちやははが、にぶいわたくしのめをあらって、)
私は突然死んだ父や母が、鈍い私の眼を洗って、
(きゅうによのなかがはっきりみえるようにしてくれたのではないかとうたがいました。)
急に世の中が判然見えるようにしてくれたのではないかと疑いました。
(わたくしはちちやははがこのよにいなくなったあとでも、)
私は父や母がこの世に居なくなった後でも、
(いたときとおなじようにわたくしをあいしてくれるものと、)
居た時と同じように私を愛してくれるものと、
(どこかこころのおくでしんじていたのです。)
何処か心の奥で信じていたのです。
(もっともそのころでもわたくしはけっしてりにくらいたちではありませんでした。)
尤もその頃でも私は決して理に暗い質ではありませんでした。
(しかしせんぞからゆずられためいしんのかたまりも、つよいちからでわたくしのちのなかにひそんでいたのです。)
然し先祖から譲られた迷信の塊も、強い力で私の血の中に潜んでいたのです。
(いまでもひそんでいるでしょう。)
今でも潜んでいるでしょう。
(わたくしはたったひとりやまへいって、ふぼのはかのまえにひざまずきました。)
私はたった一人山へ行って、父母の墓の前に跪ずきました。
(なかばはあいとうのいみ、なかばはかんしゃのこころもちでひざまずいたのです。)
半は哀悼の意味、半は感謝の心持で跪いたのです。
(そうしてわたくしのみらいのこうふくが、)
そうして私の未来の幸福が、
(このつめたいいしのしたによこたわるかれらのてにまだにぎられてでもいるようなきぶんで、)
この冷たい石の下に横わる彼等の手にまだ握られてでもいるような気分で、
(わたくしのうんめいをまもるべくかれらにいのりました。)
私の運命を守るべく彼等に祈りました。
(あなたはわらうかもしれない。)
貴方は笑うかも知れない。
(わたくしもわらわれてもしかたがないとおもいます。しかしわたくしはそうしたにんげんだったのです。)
私も笑われても仕方がないと思います。然し私はそうした人間だったのです。
(わたくしのせかいはたなごころをひるがえすようにかわりました。)
私の世界は掌を翻えすように変りました。
(もっともこれはわたくしにとってはじめてのけいけんではなかったのです。)
尤もこれは私に取って始めての経験ではなかったのです。
(わたくしがじゅうろくななのときでしたろう、)
私が十六七の時でしたろう、
(はじめてよのなかにうつくしいものがあるというじじつをはっけんしたときには、)
始めて世の中に美くしいものがあるという事実を発見した時には、
(いちどにはっとおどろきました。)
一度にはっと驚ろきました。
(なんべんもじぶんのめをうたがって、なんべんもじぶんのめをこすりました。)
何遍も自分の眼を疑って、何遍も自分の眼を擦りました。
(そうしてこころのうちでああうつくしいとさけびました。)
そうして心の中でああ美しいと叫びました。
(じゅうろくななといえば、おとこでもおんなでも、ぞくにいういろけのつくころです。)
十六七と云えば、男でも女でも、俗にいう色気の付く頃です。
(いろけのついたわたくしはよのなかにあるうつくしいもののだいひょうしゃとして、)
色気の付いた私は世の中にある美しいものの代表者として、
(はじめておんなをみることができたのです。)
始めて女を見る事が出来たのです。
(いままでそのそんざいにすこしもきのつかなかったいせいにたいして、)
今までその存在に少しも気の付かなかった異性に対して、
(めくらのめがたちまちあいたのです。)
盲目の眼が忽ち開いたのです。
(それいらいわたくしのてんちはまったくあたらしいものとなりました。)
それ以来私の天地は全く新らしいものとなりました。
(わたくしがおじのたいどにこころづいたのも、まったくこれとおなじなんでしょう。)
私が叔父の態度に心づいたのも、全くこれと同じなんでしょう。
(がぜんとしてこころづいたのです。)
俄然として心づいたのです。
(なんのよかんもじゅんびもなく、ふいにきたのです。)
何の予感も準備もなく、不意に来たのです。
(ふいにかれとかれのかぞくが、)
不意に彼と彼の家族が、
(いままでとはまるでべつもののようにわたくしのめにうつったのです。)
今までとはまるで別物のように私の眼に映ったのです。
(わたくしはおどろきました。)
私は驚ろきました。
(そうしてこのままにしておいては、)
そうしてこのままにして置いては、
(じぶんのゆくさきがどうなるかわからないというきになりました。)
自分の行先がどうなるか分らないという気になりました。