リビングデッド

(ひるがえってだれしもがむざいではいられぬよにはびこって)

ひるがえって誰しもが無罪ではいられぬ世にはびこって

(だんざいをしあったってしらけてくるぜ)

断罪をしあったって　白けてくるぜ

(あいがさってあいたあなふさぐためのきょだいなぐうぞうはここにはない)

愛が去って空いた穴　塞ぐための巨大な偶像は　ここにはない

(すくなくともぼくのへやには)

少なくとも僕の部屋には

(もっといきてえもうしにてえそんなんをくりかえしきて)

もっと生きてえ　もう死にてえ　そんなんを繰り返しきて

(りびんぐでっどりびんぐでっどじんせいをむいにはいかいして)

リビングデッド　リビングデッド　人生を無為に徘徊して

(もうむりってとびおりてわれかんせずってつらでいいって)

もう無理って飛び降りて　我関せずって面でいいって

(せおわずにいきれるならそうしなって)

背負わずに生きれるならそうしなって

(えいえんなんてないくせにえいえんなんてことばをつくって)

永遠なんてないくせに　永遠なんて言葉を作って

(むじょうさにむせびなくぼくら)

無常さにむせび泣く僕ら

(こうかいもよわさもなみだもこわだかにさけべばうたになった)

後悔も弱さも涙も　声高に叫べば歌になった

(なみだかれぬひとらようたえ)

涙枯れぬ人らよ歌え

(あやまちでしくじりでいしをなげるのはやめときなって)

過ちで　しくじりで　石を投げるのはやめときなって

(どうせいつかまちがうもうすでにまちがえてるんだし)

どうせいつか間違う　もうすでに間違えてるんだし

(りんじんをあいせずともふこうにはならないじだいにあって)

隣人を愛せずとも　不幸にはならない時代にあって

(わかりあうのはそうそうかんたんではないから)

分かり合うのはそうそう簡単ではないから

(どっちだっけ？もうしらねえいきたいほうへじぶんでいくぜ)

どっちだっけ？　もう知らねえ　生きたい方へ自分で行くぜ

(りびんぐでっどりびんぐでっどきりすてたしかばねをこえて)

リビングデッド　リビングデッド　切り捨てた屍を越えて

(ふりむかぬふりむけぬどっちにしろみちはえらべぬ)

振り向かぬ　振り向けぬ　どっちにしろ道は選べぬ

(かえりみずあおぎみるあすのそら)

顧みず仰ぎ見る　明日の空

(せいかいなんてないくせにせいかいなんてことばをつくって)

正解なんてないくせに　正解なんて言葉を作って

(おのがあすさえしばりあうぼくら)

己が明日さえ　縛り合う僕ら

(めめしさもつみもふめいよもひとりざんげしたらうたになった)

女々しさも罪も不名誉も　一人懺悔したら歌になった

(ゆるされざるひとらようたえ)

許されざる人らよ歌え

(ただしさをもとめているならばすくなくともいばしょはここじゃないぜ)

正しさを求めているならば　少なくとも居場所はここじゃないぜ

(ここじゃないぜ)

ここじゃないぜ

(まちがったじょうどうをくべるまけいぬのじょうききかんしゃのりょていくそくらえ)

間違った情動をくべる　負け犬の蒸気機関車の旅程　くそくらえ

(せいれんさもけっぱくさもあきらめざるをえずてをよごした)

清廉さも潔白さも　諦めざるを得ず手を汚した

(とるにたらないたわごとだとみくびるごうまんどものねくびをかく)

取るに足らないたわごとだと　見くびる傲慢どもの寝首を掻く

(むくわれないねがいをくべろかなわなかったゆめをくべろ)

報われない願いをくべろ　叶わなかった夢をくべろ

(とげられないうらみをくべろしにきれなかったよるをくべろ)

遂げられない恨みをくべろ　死にきれなかった夜をくべろ

(ぜったいなんてないくせにぜったいなんてことばをつくって)

絶対なんてないくせに　絶対なんて言葉を作って

(なぜなせぬとみはりあうぼくら)

何故成せぬと　見張り合う僕ら

(れっとうかんもじこけんおもそこまでしずめたらうたになった)

劣等感も自己嫌悪も　底まで沈めたら歌になった

(しにきれぬひとらようたえ)

死に切れぬ人らよ歌え