拒否オロジー

(おうとうせよ、おうとうせよ)

応答せよ、応答せよ

(ほんじつ、７ごうせんをなんかするきたかぜをみおくったとうほくから)

本日、7号線を南下する北風を見送った東北から

(おしだまるそらをむすうにひょうりゅうする、でぐちなきそれぞれのじごくたちへ)

押し黙る空を無数に漂流する、出口無きそれぞれの地獄たちへ

(「いろいろあったな」ではすまされない、いろいろのひとつひとつを)

「色々あったな」では済まされない、色々の一つ一つを

(あるいは、)

あるいは、

(いまだえたいのしれない、こころにかげりつづけるうれいのかずかずのしゅっしょうを)

未だ得体のしれない、心に翳り続ける憂いの数々の出生を

(つまびらかにするためにしょうこりもなく)

つまびらかにする為に　性懲りもなく

(あいもかわらずここにたってよびかける)

相も変わらず　ここに立って呼びかける

(おうとうせよ、おうとうせよ)

応答せよ、応答せよ

(みずーりをしっそうする、わかきたいようねつとむやみなはいきりょうをもって)

ミズーリを疾走する、若き太陽熱と無暗な排気量をもって

(ひとがいきるというきょだいなさんえいにていこうをこころみるしょうねんらは)

人が生きるという巨大な山影に抵抗を試みる少年らは

(ひとつのくのうにつき、ひとつのせっとうをよごとはたらき)

一つの苦悩につき、一つの窃盗を夜ごと働き

(せかいへのあだうちがたいぎであるかのようなはらをきめたぎょうそうで)

世界への仇討ちが大儀であるかのような腹を決めた形相で

(ちいさなあくじをけちくさくつみあげた)

小さな悪事をけち臭く積み上げた

(けっか、おおくのしょうめいをほごにされたわたしたちはついにはひとみをにごし)

結果、多くの照明を反故にされた私たちはついには瞳を濁し

(そのあおいえいこうとしっぱいにぶっくかばーをかぶせ)

その青い栄光と失敗にブックカバーを被せ

(ゆきがふるあさのぷらっとふぉーむしゅっきんまえのつかのまのくうはくに)

雪が降る朝のプラットフォーム　出勤前の束の間の空白に

(かじかんだてでぺーじをめくればあらゆるぎょうかんにこどくがすみついたのだ)

かじかんだ手でページをめくれば　あらゆる行間に孤独が住み着いたのだ

(わたしのじょじょうもかんしょうも、はたせなかったきょぜつである)

私の叙情も感傷も、果たせなかった拒絶である

(でんぱとうがつらぬくそらも、げこうするこどもらのあしどりも、はたせなかったきょぜつである)

電波塔が貫く空も、下校する子供らの足取りも、果たせなかった拒絶である

(かなりやがないているそれとおなじように、わたしのきょぜつはふるえている)

カナリヤが鳴いている　それと同じように、私の拒絶は震えている

(おうとうせよ、おうとうせよ)

応答せよ、応答せよ

(おりをけやぶれ、ふくえきしゅうよ)

檻を蹴破れ、服役囚よ

(としのろじもじおこしほしごろしきょひおろじー)

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