バースデイ

(もしふたりがであえないのなら)

もし二人が出会えないのなら

(なんてひどいゆめだろう)

なんて酷い夢だろう

(あなたがふれてくれてはじめて)

あなたが触れてくれて初めて

(ぼくはここにいるんだ)

僕はここにいるんだ

(そのひとみがぬれるほど)

その瞳が濡れるほど

(そのあまいこえがもれだすほど)

その甘い声が漏れ出すほど

(だきよせて)

抱き寄せて

(ぜんぶぜんぶとけてしまって)

全部全部溶けてしまって

(ほねのひとつになるまで)

骨の一つになるまで

(ずっとずっと)

ずっとずっと

(そばにいてくさって)

傍にいて腐って

(ぜんぶぜんぶとけてしまって)

全部全部溶けてしまって

(ふたりひとつになるまで)

二人一つになるまで

(もっともっと)

もっともっと

(そばにきてさわって)

傍にきて触って

(こえがからだが)

声が　体が

(かれるまでなんどでもだきあうよ)

枯れるまで何度でも抱きあうよ

(おぼえていておぼえていて)

憶えていて　憶えていて

(おぼえていてこれがぼくのかたち)

憶えていて　これが僕のかたち

(あなたのてでえみでなきがおで)

あなたの手で笑みで泣き顔で

(ぼくはぼくをしるんだ)

僕は僕を知るんだ

(そのあたまがはじけるほど)

その頭が弾けるほど

(そのほそいのどがつぶれるほど)

その細い喉が潰れるほど

(ぜんぶぜんぶとけてしまって)

全部全部溶けてしまって

(ほねのひとつになるまで)

骨の一つになるまで

(ずっとずっと)

ずっとずっと

(ぬくもりをさらって)

温もりを攫って

(ぜんぶぜんぶとけてしまって)

全部全部溶けてしまって

(ふたりひとつになるまで)

二人一つになるまで

(もっともっと)

もっともっと

(しめつけてうばってほしい)

締め付けて奪ってほしい

(ねがいがかなうなら)

願いが叶うなら

(もしもがあるなら)

もしもがあるなら

(ぼくのてでおわってほしい)

僕の手で終わってほしい

(だれにもうばえないように)

誰にも奪えないように

(きおくのなかとじこめて)

記憶の中閉じ込めて

(ぜんぶぜんぶとけてしまって)

全部全部溶けてしまって

(ほねのひとつになるまで)

骨の一つになるまで

(ずっとずっと)

ずっとずっと

(そばにいてくさって)

傍にいて腐って

(ぜんぶぜんぶとけてしまって)

全部全部溶けてしまって

(ふたりひとつになるまで)

二人一つになるまで

(もっともっと)

もっともっと

(もっともっと)

もっともっと

(ぜんぶぜんぶとけてしまって)

全部全部溶けてしまって

(ほねのひとつになるまで)

骨の一つになるまで

(ずっとずっと)

ずっとずっと

(そばにいてくさって)

傍にいて腐って

(こえがからだが)

声が　体が

(かれるまでなんどでもだきあうよ)

枯れるまで何度でも抱きあうよ

(おぼえていておぼえていて)

憶えていて　憶えていて

(おぼえていてこれがぼくのかたち)

憶えていて　これが僕のかたち

(おぼえていておぼえていて)

憶えていて　憶えていて

(おぼえていてこれがぼくのかたち)

憶えていて　これが僕のかたち

(もしふたりがであえないのなら)

もし二人が出会えないのなら

(ぼくはぼくじゃなくていい)

僕は僕じゃなくていい