【終物語】斧乃木余接「不幸で居続けることは」

(いいわけのようにもきこえるけどね)

言い訳のようにも聞こえるけどね。

(しあわせにならないからかんべんしてください)

「幸せにならないから勘弁してください。」

(しあわせになろうとなんかしないからどうかゆるしてください)

「幸せになろうとなんかしないからどうか許してください。」

(どうかみのがしてください)

「どうか見逃してください。」

(といっているようにも)

と言っているようにも。

(ぼくたちはこんなにふこうなんだからせめるなよかわいそうだろ)

「僕たちはこんなに不幸なんだから攻めるなよ。可哀想だろ」

(ってしゅちょうしているようにも)

って主張しているようにも。

(ねえおにいちゃんひょっとしてあなたふこうやふぐうにあまんじていることを)

ねえ、お兄ちゃん。ひょっとしてあなた、不幸や不遇に甘んじていることを

(がんばってるとおもっちゃってるんじゃないの)

「頑張ってる」と思っちゃってるんじゃないの。

(そういうのをせけんではなにもしていないっていうんだよ)

そういうのを世間では「何もしていない」って言うんだよ。

(ふこうなくらいでゆるされるとおもうなはっぴーえんどをめざすべきだ)

不幸なくらいで許されると思うな。ハッピーエンドを目指すべきだ。

(またかおをふんであげようか)

また顔を踏んであげようか。

(ふこうでいつづけることはたいまんだししあわせになろうとしないことはひきょうだよ)

不幸で居続けることは怠慢だし、幸せになろうとしないことは卑怯だよ。

(そんなんじゃじさつしたせんくしゃもむくわれまい)

そんなんじゃ、自殺した先駆者も報われまい。