夏目漱石「こころ」3-39

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夏目漱石「こころ」3-39
下)先生と遺書
夏目漱石の「こころ」(下)でございます。
なるべく原文ママで問題を設定しておりますので、誤字なのか原文なのかややこしいとは思われますが最後までお付き合い下さい。

オリジナルの書き方・読み方については以下に載せますので、参考の程よろしくお願い致します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
3:基督教(きりすときょう)
5:理由(わけ)
11:何にも(なにも)
31:波瀾(はらん)
32:幽鬱(ゆううつ)
36:許(いつわり)
40:欺むき(あざむき)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
一区切りつかせようとしましたら長くなっちゃいました。
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 subaru 8264 8.5 97.0% 259.9 2216 68 42 2024/07/03
2 HAKU 8254 8.5 97.0% 261.8 2228 67 42 2024/07/04
3 berry 7970 8.0 98.9% 273.9 2207 24 42 2024/07/03
4 □「いいね」する 7888 8.1 96.8% 273.3 2228 72 42 2024/07/04
5 りく 6312 S 6.4 98.1% 353.4 2275 44 42 2024/07/04

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問題文

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(わたくしはまたかれのへやにせいしょをみました。)

私は又彼の室に聖書を見ました。

(わたくしはそれまでにおきょうのなをたびたびかれのくちからきいたおぼえがありますが、)

私はそれまでに御経の名を度々彼の口から聞いた覚がありますが、

(きりすときょうについては、)

基督教に就いては、

(とわれたこともこたえられたためしもなかtったのですから、ちょっとおどろきました。)

問われた事も答えられた例もなかったのですから、一寸驚ろきました。

(わたくしはそのわけをたずねずにはいられませんでした。)

私はその理由を訊ねずにはいられませんでした。

(けいはわけはないといいました。)

Kは理由はないと云いました。

(これほどひとのありがたがるしょもつならよんでみるのがあたりまえだろうともいいました。)

これ程人の有難がる書物なら読んで見るのが当り前だろうとも云いました。

(そのうえかれはきかいがあったら、こーらんもよんでみるつもりだといいました。)

その上彼は機会があったら、コーランも読んで見る積りだと云いました。

(かれはもはめっどとけんということばにおおいなるきょうみをもっているようでした。)

彼はモハメッドと剣という言葉に大いなる興味を有っているようでした。

(にねんめのなつにはかれはくにからさいそくをうけてようやくかえりました。)

二年目の夏には彼は国から催促を受けて漸く帰りました。

(かえってもせんもんのことはなにもいわなかったものとみえます。)

帰っても専門の事は何にも云わなかったものと見えます。

(うちでもまたそこにきがつかなかったのです。)

家でもまた其所に気が付かなかったのです。

(あなたはがっこうきょういくをうけたひとだから、)

あなたは学校教育を受けた人だから、

(こういうしょうそくをよくかいしているでしょうが、)

こういう消息を能く解しているでしょうが、

(せけんはがくせいのせいかつだの、がっこうのきそくだのにかんして、)

世間は学生の生活だの、学校の規則だのに関して、

(おどろくべくむちなものです。)

驚ろくべく無知なものです。

(われわれになんでもないことがいっこうがいぶへはつうじていません。)

我々に何でもない事が一向外部へは通じていません。

(われわれはまたひかくてきないぶのくうきばかりすっているので、)

我々は又比較的内部の空気ばかり吸っているので、

(こうないのことはさいだいともによのなかにしれわたっているはずだとおもいすぎるくせがあります。)

校内の事は細大共に世の中に知れ渡っている筈だと思い過ぎる癖があります。

(けいはそのてんにかけて、わたくしよりせけんをしっていたのでしょう、)

Kはその点にかけて、私より世間を知っていたのでしょう、

など

(すましたかおでまたもどってきました。)

澄ました顔で又戻って来ました。

(くにをたつときはわたくしもいっしょでしたから、)

国を立つ時は私も一所でしたから、

(きしゃへのるやいなやすぐどうだったとけいにといました。)

汽車へ乗るや否やすぐどうだったとKに問いました。

(けいはどうでもなかったとこたえたのです。)

Kはどうでもなかったと答えたのです。

(さんどめのなつはちょうどわたくしがえいきゅうにふぼのふんぼのちをさろうとけっしんしたとしです。)

三度目の夏は丁度私が永久に父母の墳墓の地を去ろうと決心した年です。

(わたくしはそのときけいにきこくをすすめましたが、けいはおうじませんでした。)

私はその時Kに帰国を勧めましたが、Kは応じませんでした。

(そうまいとしうちへかえってなにをするのだというのです。)

そう毎年家へ帰って何をするのだと云うのです。

(かれはまたふみとどまってべんきょうするつもりらしかったのです。)

彼はまた踏み留まって勉強する積りらしかったのです。

(わたくしはしかたなしにひとりでとうきょうをたつことにしました。)

私は仕方なしに一人で東京を立つ事にしました。

(わたくしのきょうりでくらしたそのにかげつかんが、わたくしのうんめいにとって、)

私の郷里で暮らしたその二か月間が、私の運命にとって、

(いかにはらんにとんだものかは、まえにかいたとおりですからくりかえしません。)

如何に波瀾に富んだものかは、前に書いた通りですから繰り返しません。

(わたくしはふへいとゆううつとこどくのさびしさをひとつむねにいだいて、)

私は不平と幽鬱と孤独の淋しさを一つ胸に抱いて、

(くがつにいってまたけいにあいました。)

九月に入って又Kに逢いました。

(するとかれのうんめいもまたわたくしとどうようにへんちょうをしめしていました。)

すると彼の運命もまた私と同様に変調を示していました。

(かれはわたくしのしらないうちに、ようけさきへてがみをだして、)

彼は私の知らないうちに、養家先へ手紙を出して、

(こっちからじぶんのいつわりをはくじょうしてしまったのです。)

此方から自分の許を白状してしまったのです。

(かれはさいしょからそのかくごでいたのだそうです。)

彼は最初からその覚悟でいたのだそうです。

(いまさらしかたがないから、おまえのすきなものをやるよりほかにみちはあるまいと、)

今更仕方がないから、御前の好きなものを遣るより外に途はあるまいと、

(むこうにいわせるつもりもあったのでしょうか。)

向うに云わせる積りもあったのでしょうか。

(とにかくだいがくへはいってまでもようふぼをあざむきとおすきはなかったらしいのです。)

とにかく大学へ入ってまでも養父母を欺むき通す気はなかったらしいのです。

(またあざむこうとしても、)

又欺むこうとしても、

(そうながくつづくものではないとみぬいたのかもしれません。)

そう長く続くものではないと見抜いたのかも知れません。

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