貴方の知らないあなたのうた。

(すうがくのじかん)

数学の時間

(あなたのななめうしろのうしろのそのまたうしろのせきで)

貴方の斜め後ろの後ろのそのまた後ろの席で

(あなたのうたをかいています)

貴方の歌を書いています。

(とうていあなたはしりっこないでしょ)

到底貴方は知りっこないでしょ

(そういえばきのうのおひるやすみのじかんにながれていたきょく)

そういえば昨日のお昼休みの時間に流れていた曲

(あなたのことをおもってわたしがうたってるの)

貴方のことを思って私が歌ってるの

(あぁあなたがつくったぷれいりすと)

あぁ貴方が作ったプレイリスト

(わたしにもきかせてほしいの)

私にも聞かせてほしいの

(あわよくばあなたにかいた)

あわよくば貴方に書いた

(わたしのうたがはいってないかな)

私の歌が入ってないかな

(あぁあなたがこんやゆめをみると)

あぁ貴方が今夜、夢を見ると

(わたしがでてきてあしたから)

私が出てきて明日から

(いしきしないかなぁ)

意識しないかなぁ

(あなたにはいわない)

貴方には言わない

(わたしがこのさき)

私がこの先

(ゆうめいになっておおきなすてーじで)

有名になって大きなステージで

(このきょくをうたうひがきても)

この曲を歌う日がきても

(わたしはばらさない)

私はバラさない

(あなたがこのさき)

貴方がこの先

(わたしとしらずにこのきょくにであって)

私と知らずにこの曲に出会って

(このきょくがすきなんだといっても)

この曲が好きなんだと言っても

(しらずしらずのじぶんのうたをかかれているきぶんはどうですか)

知らず知らずの自分の歌を書かれている気分はどうですか？

(あなたはどうおもうんだろ)

貴方はどう思うんだろ？

(やっぱりきもちわるいっておもうのかな)

やっぱり気持ち悪いって思うのかな

(ねぇまってちょっとまって)

ねぇ待ってちょっと待って

(あなたにないしょでうたにしているのって)

貴方に内緒で歌にしているのって

(さすがにちょさくけんとかひっかかったりしないよね)

さすがに著作権とか引っかかったりしないよね

(あぁあなたがやすんじゃったそのひは)

あぁ貴方が休んじゃったその日は

(いちにちやるきがおきなくて)

1日やる気が起きなくて

(ためいきばっかきょうは)

ため息ばっか今日は

(ひさしぶりにかみのけまいてきてみたのに)

久しぶりに髪の毛巻いてきてみたのに

(あぁあなたとごきんじょさんだったら)

あぁ貴方とご近所さんだったら

(きょうくばられたぷりんととどけにいくのに)

今日配られたプリント届けに行くのに

(あなたにはいわない)

貴方には言わない

(わたしがこのさき)

私がこの先

(ゆうめいになってがめんのむこうから)

有名になって画面の向こうから

(このきょくがながれるひがきても)

この曲が流れる日がきても

(わたしはばらさない)

私はバラさない

(あなたがこのさき)

貴方がこの先

(わたしとしらずにこのきょくにであって)

私と知らずにこの曲に出会って

(このきょくをくちずさんでいても)

この曲を口ずさんでいても

(あなたからのらいん)

貴方からのLINE

(はなしていたわけじゃないのに)

話していたわけじゃないのに

(とつぜんすぎるよずるいよ)

突然すぎるよずるいよ

(しんぞうのおとでなにもきこえない)

心臓の音でなにも聞こえない

(きょうのじゅぎょうののーとみせてくれたりしないかな)

「今日の授業のノート見せてくれたりしないかな」

(わたしはゆめでもみているのかな)

私は夢でも見ているのかな

(あなたにはいわない)

貴方には言わない

(わたしがこのさき)

私がこの先

(ゆうめいになっておおきなすてーじで)

有名になって大きなステージで

(このことをうたにしていても)

このことを歌にしていても

(わたしはばらさない)

私はバラさない

(あなたがこのさき)

貴方がこの先

(わたしときづいてこのきょくをきいて)

私と気づいてこの曲を聴いて

(もしやぼくのことなのかってきづいても)

もしや僕の事なのかって気づいても