夏目漱石「こころ」3-47

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投稿者投稿者たけしいいね1お気に入り登録
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夏目漱石「こころ」3-47
下)先生と遺書
夏目漱石の「こころ」(下)でございます。
なるべく原文ママで問題を設定しておりますので、誤字なのか原文なのかややこしいとは思われますが最後までお付き合い下さい。

オリジナルの書き方・読み方については以下に載せますので、参考の程よろしくお願い致します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
7:交際って(つきあって)
9:沈まる(しずまる)
12:可かった(よかった)
13:違(ちがい)
28:消化す(こなす)
40:艱苦(かんく)
42:邂逅える(めぐりあえる)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今回は少し長めです。
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 berry 8255 8.3 98.3% 251.6 2112 35 42 2024/07/14
2 ヤス 7989 8.3 96.3% 257.1 2134 80 42 2024/07/15
3 HAKU 7745 8.0 96.7% 267.0 2139 71 42 2024/07/15
4 □「いいね」する 7724 8.0 95.8% 264.1 2133 93 42 2024/07/14
5 りく 6490 S 6.7 96.5% 323.1 2174 77 42 2024/07/14

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問題文

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(にじゅうよん)

二十四

(「わたくしはおくさんからそういうふうにとりあつかわれたけっか、)

「私は奥さんからそう云う風に取扱われた結果、

(だんだんかいかつになってきたのです。)

段々快活になって来たのです。

(それをじかくしていたから、)

それを自覚していたから、

(おなじものをこんどはけいのうえにおうようしようとこころみたのです。)

同じものを今度はKの上に応用しようと試みたのです。

(けいとわたくしとがせいかくのうえにおいて、だいぶそういのあることは、)

Kと私とが性格の上に於て、大分相違のある事は、

(ながくつきあってきたわたくしによくわかっていましたけれども、)

長く交際って来た私に能く解っていましたけれども、

(わたくしのしんけいがこのかていにはいってからたしょうかどがとれたごとく、)

私の神経がこの家庭に入ってから多少角が取れた如く、

(けいのこころもここにおけばいつかしずまることがあるだろうとかんがえたのです。)

Kの心も此所に置けば何時か沈まる事があるだろうと考えたのです。

(けいはわたくしよりつよいけっしんをゆうしているおとこでした。)

Kは私より強い決心を有している男でした。

(べんきょうもわたくしのばいくらいはしたでしょう。)

勉強も私の倍位はしたでしょう。

(そのうえもってうまれたあたまのたちがわたくしよりもずっとよかったのです。)

その上持って生れた頭の質が私よりもずっと可かったのです。

(あとではせんもんがちがいましたからなんともいえませんが、)

後では専門が違ましたから何とも云えませんが、

(おなじくらすにいるあいだは、ちゅうがくでもこうとうがっこうでも、)

同じ級にいる間は、中学でも高等学校でも、

(けいのほうがつねにじょうせきをしめていました。)

Kの方が常に上席を占めていました。

(わたくしにはへいぜいからなにをしてもけいにおよばないというじかくがあったくらいです。)

私には平生から何をしてもKに及ばないという自覚があった位です。

(けれどもわたくしがしいてけいをわたくしのうちへひっぱってきたときには、)

けれども私が強いてKを私の宅へ引張って来た時には、

(わたくしのほうがよくじりをわきまえているとしんじていました。)

私の方が能く事理を弁えていると信じていました。

(わたくしにいわせると、)

私に云わせると、

(かれはがまんとにんたいのくべつをりょうかいしていないようにおもわれたのです。)

彼は我慢と忍耐の区別を了解していないように思われたのです。

など

(これはとくにあなたのためにつけたしておきたのですからきいてください。)

これはとくに貴方のために付け足して置きたいのですから聞いて下さい。

(にくたいなりせいしんなりすべてわれわれののうりょくは、がいぶのしげきで、はったつもするし、)

肉体なり精神なり凡て我々の能力は、外部の刺戟で、発達もするし、

(はかいされもするでしょうが、)

破壊されもするでしょうが、

(どっちにしてもしげきをだんだんつよくするひつようのあるのはむろんですから、)

何方にしても刺戟を段々強くする必要のあるのは無論ですから、

(よくかんがえないと、ひじょうにけんあくなほうこうへむいてすすんでいきながら、)

能く考えないと、非常に険悪な方向へ向いて進んでいきながら、

(じぶんはもちろんはたのものもきがつかずにいるおそれがしょうじてきます。)

自分は勿論傍のものも気が付かずにいる恐れが生じてきます。

(いしゃのせつめいをきくと、にんげんのいぶくろほどおうちゃくなものはないそうです。)

医者の説明を聞くと、人間の胃袋程横着なものはないそうです。

(かゆばかりくっていると、それいじょうのかたいものをこなすちからが)

粥ばかり食っていると、それ以上の堅いものを消化す力が

(いつのまにかなくなってしまうのだそうです。)

何時の間にかなくなってしまうのだそうです。

(だからなんでもくうけいこをしておけといしゃはいうのです。)

だから何でも食う稽古をして置けと医者はいうのです。

(けれどもこれはただなれるといういみではなかろうとおもいます。)

けれどもこれはただ慣れるという意味ではなかろうと思います。

(しだいにしげきをますにしたがって、)

次第に刺戟を増すに従って、

(しだいにえいようきのうのていこうりょくがつよくなるといういみでなくてはなりますまい。)

次第に栄養機能の抵抗力が強くなるという意味でなくてはなりますまい。

(もしはんたいにいのちからのほうがじりじりよわっていったなら)

もし反対に胃の力の方がじりじり弱って行ったなら

(けっかはどうなるだろうとそうぞうしてみればすぐわかることです。)

結果はどうなるだろうと想像して見ればすぐ解る事です。

(けいはわたくしよりいだいなおとこでしたけれども、)

Kは私より偉大な男でしたけれども、

(まったくここにきがついていなかったのです。)

全く此所に気が付いていなかったのです。

(ただこんなんになれてしまえば、)

ただ困難に慣れてしまえば、

(しまいにそのこんなんはなんでもなくなるものだときめていたらしいのです。)

仕舞にその困難は何でもなくなるものだと極めていたらしいのです。

(かんくをくりかえせば、くりかえすというだけのくどくで、)

艱苦を繰り返せば、繰り返すというだけの功徳で、

(そのかんくがきにかからなくなるじきに)

その艱苦が気にかからなくなる時期に

(めぐりあえるものとしんじきっていたらしいのです。)

邂逅えるものと信じ切っていたらしいのです。

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