文学的表現集 20160117

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投稿者投稿者シュリいいね3お気に入り登録
プレイ回数303難易度(3.8) 120秒 長文 かな

関連タイピング

問題文

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(むねのいたむものであった)

胸の痛むものであった

(こくたんのしょうたく)

黒檀の小卓

(はなとはといばらのそうしょく)

花と葉と茨の装飾

(いっぴきのそうしょくのへびがみをうねらせながらまきついている)

一匹の装飾の蛇が身をうねらせながら巻きついている

(くうそうをしげきしたのだ)

空想を刺激したのだ

(めいじょうしがたいみりょく)

名状しがたい魅力

(かれがちんもくをまもっていた)

彼が沈黙を守っていた

(こうやにおけるたいざいというひめられたいっしょうのためでもあった)

荒野における滞在という秘められた一章のためでもあった

(かれじしんにふかいえいきょうをおよぼし、このじんせいこうろをかえてしまった)

彼自身に深い影響を及ぼし、この人生行路を変えてしまった

(いじょうなけいけんにであったこと)

異常な経験に出あったこと

(ばくぜんときづいていた)

漠然と気付いていた

(とちのふるいきょじゅうしゃであり、しさんかであり、しゃこうかいでのにんきもの)

土地の古い居住者であり、資産家であり、社交界での人気者

(つねにふぐたいてんのてきとみなしてきた)

常に不倶戴天の敵とみなしてきた

(こっきょうにすむ、あらっぽいみんぞくのひとつである)

国境に住む、荒っぽい民族の一つである

(ひとざとはなれたおくちから)

人里はなれた奥地から

(なんべいたいりくのだいぶぶんをただひとりとほでりょこうし)

南米大陸の大部分をただ一人徒歩で旅行し

(かいちゅうにいちもんのかねもなく)

懐中に一文の金もなく

(ぼろをまとい)

ぼろをまとい

(ねつびょうや、しゅしゅのなんぎのために)

熱病や、種々の難儀のために

(ほねとかわばかりにしょうすいし)

骨と皮ばかりに憔悴し

など

(ながいあいだたいようとかぜにさらされて)

長い間太陽と風にさらされて

(せいかつとはくるしいたたかいにすぎなかった)

生活とは苦しい闘いにすぎなかった

(せいじじょうのじょうねつややぼう、いな、ここくにたいするあいじょうさえ)

政治上の情熱や野望、否、故国に対する愛情さえ

(じぶんのてきが、じぶんのさいじょうのともであった)

自分の敵が、自分の最上の友であった

(かれにこういをもっていた)

彼に好意を持っていた

(みりょくてきなようし、やさしいせいしつ、じょせいにたいするたいどにあった)

魅力的な容姿、優しい性質、女性に対する態度にあった

(じょせいをよろこばせながらも、ほかのだんせいのしっとをひきおこさなかった)

女性を喜ばせながらも、他の男性の嫉妬をひき起さなかった

(わかくてあいらしく、きのかわりやすいにょうぼう)

若くてあいらしく、気の変りやすい女房

(としおいてたんきなのうじょうぬし)

年老いて短気な農場主

(わたしのせいかつのおもなじょうねつとよろこびのたいしょう)

私の生活の主な情熱と喜びの対象

(しにたいするあいこう)

詩に対する愛好

(わかちあうひとにであおうとは、ぜんぜんきたいしていなかった)

分ちあう人に出会おうとは、全然期待していなかった

(しんけいしつなおりーヴいろのひふをした)

神経質なオリーヴ色の皮膚をした

(さむいきたぐにの、あおいめをしたねんえきしつのいぎりすじん)

寒い北国の、青い眼をした粘液質のイギリス人

(はなしをしてたいようをつかれさせた)

話をして太陽を疲れさせた

(かぞえきれないほどおおくのきちょうなよる)

数え切れないほど多くの貴重な夜

(このようなこうふくをまえもってよきしてはいなかった)

このような幸福を前もって予期してはいなかった

(かれのひめられたかこにかんするばくぜんとしたそうぞう)

彼の秘められた過去に関する漠然とした想像

(なにかいじょうなけいけんが、かれにふかいえいきょうをあたえ)

何か異常な経験が、彼に深い影響をあたえ

(みているもののめにいたいたしくうつるばかりのへんか)

見ている者の眼に痛々しく映るばかりの変化

(かっぱつな、こうきしんにみちたこころ)

活溌な、好奇心に充ちた心

(きち、かすかなうれいのかげをおびたようきなこころ)

機智、微かな憂いの影を帯びた陽気な心

(そのひょうじょうさえもかわり、けわしく、かたいものになる)

その表情さえも変り、険しく、かたいものになる

(かんじょうのない、きかいてきなちょうしで、じじつだけをのべるのだった)

感情のない、機械的な調子で、事実だけをのべるのだった

(さびしくちゅうだんしてしまったこうろんがなかった)

淋しく中断してしまった口論がなかった

(わたしはそのことばをまじめにはとらなかった)

私はその言葉を真面目にはとらなかった

(たいだとしげきぶつをとったことが、わたしのふけんこうのげんいん)

怠惰と刺激物をとったことが、私の不健康の原因

(そのかんじょうをまったくかくすことはできなかった)

その感情をまったくかくすことはできなかった

(かれのひなんにかんじょうをがいしたわたし)

彼の非難に感情を害した私

(わたしにむかってそんなふうにくちをきくけんりはない)

私に向ってそんな風に口をきく権利はない

(うっかりくちをすべらせてしまった)

うっかり口をすべらせてしまった

(ゆうじょうとは、おもっているほどかんぜんでも、もうしぶんのないものでもない)

友情とは、思っているほど完全でも、申し分のないものでもない

(かれのかおは、くらくなった)

彼の顔は、暗くなった

(せいじじょうのめいせいをえようというやしん)

政治上の名声を得ようという野心

(だいとうりょうは、がいろでしゅうげきされ、ふしょうした)

大統領は、街路で襲撃され、負傷した

(いんぼうのしどうしゃ)

陰謀の指導者

(ひょうげんにもこころをくばるようになった)

表現にも心をくばるようになった

(せけんにでるうんめいをもってはいなかった)

世間に出る運命を持ってはいなかった

(ぼくのほうろうのさいしょのはんとしはおわったのだった)

僕の放浪の最初の半年は終ったのだった

(どろでできたに、さんのおおきなたてもの)

泥でできた二、三の大きな建物

(あみえだにどろをいちめんにぬった)

編み枝に泥を一面に塗った

(があがあなくむすうのかえる)

ガアガア鳴く無数の蛙

(かのたいぐんのはっせいちであるみず)

蚊の大群の発生地である水

(いだいなあめりかひげきのまくぎれを、ぶたいでやるようにえんずる)

偉大なアメリカ悲劇の幕切れを、舞台でやるように演ずる

(ときどき、はんにちも、ほとんどおやみなくあめがふりつづいている)

時々、半日も、ほとんど小止みなく雨がふりつづいている

(いきることや、せけんにたいするきょうみがかいふくしてきた)

生きることや、世間に対する興味が回復してきた

(ちいさなもみのはこ)

小さな樅の箱

(ふしょうじきとどんよくとでゆうめい)

不正直と貪慾とで有名

(うてきがそのうえにしたたりおちて)

雨滴がその上にしたたり落ちて

(げんこうが、みずにふやけたぱるぷのじょうたいになっている)

原稿が、水にふやけたパルプの状態になっている

(ぼくはのろいのことばをあげながら)

僕は呪いの言葉をあげながら

(うめきながらべっどにみをなげかけた)

うめきながらベッドに身を投げかけた

(かれは、いつなんどきあらわれるかわからないしゅうかんになっていた)

彼は、いつ何時現れるかわからない習慣になっていた

(どまにあるぱるぷのかたまりをゆびさした)

土間にあるパルプのかたまりを指さした

(あめのためにはいこんできたえたいのしれないはちゅうるい)

雨のために這い込んできた得体の知れない爬虫類

(でぶしょうなにんげんがよむほん)

出不精な人間が読む本

(ひろびろとしたかんそうしているさんがくちほう)

広々とした乾燥している山岳地方

(あのおんなにかけたかねをきょうまでこうかいしたことがない)

あの女にかけた金を今日まで後悔したことがない

(ぜんぜんやきもちをやかないからな)

全然やきもちを焼かないからな

(ぼくはまんぞくのいくとりあつかいをうけ、けんこうもとりもどすことができる)

僕は満足のいく取扱いを受け、健康も取り戻すことができる

(りょこうのじゅんびにもとりかかれるようになった)

旅行の準備にもとりかかれるようになった

(じひしんにとむしょうどう)

慈悲心に富む衝動

(けだかいちからにじゅうじゅんにしたがっている)

気高い力に従順に従っている

(かれらのてんせいにはんするこうどう)

彼らの天性に反する行動

(ぼくのすいじゃくしたけんこうじょうたいでりょこうをすることは、たえまのないくつうだった)

僕の衰弱した健康状態で旅行をすることは、絶え間のない苦痛だった

(たいへんなこんきをようきゅうすることになった)

大変な根気を要求することになった

(ぼくのからだはあらゆるてんでじょうぶになっていた)

僕のからだはあらゆる点で丈夫になっていた

(ぜんかいまでは、かいふくのそくどもじんそくだった)

全快までは、回復の速度も迅速だった

(きなのきからふいてくるびふう)

キナの木から吹いてくる微風

(おかのしゃめんをさんぽしたり)

丘の斜面を散歩したり

(きみょうにこころをさわやかにし)

奇妙に心をさわやかにし

(さまざまなふうけいのそうかんをもっていた)

さまざまな風景の壮観を持っていた

(すばらしいぶるーのけおりもののまんと)

すばらしいブルーの毛織物のマント

(はばのひろいかわのべると)

幅の広い皮のベルト

(きんぞくせいのだんやくばこ)

金属製の弾薬箱

(じょうぶなしかのかくのえ)

丈夫な鹿の角の柄

(はわたりきゅういんちばかりのはのあついみごとなりょうとう)

刃渡り九インチばかりの刃の厚い見事な猟刀

(ものがたりのなかでげんきゅうされることになっている)

物語の中で言及されることになっている

(たいくつなたいきのひびをすごしていた)

退屈な待機の日々をすごしていた

(おとなのおやゆびのつめとおなじくらいのおおきさ)

大人の親指の爪と同じくらいの大きさ

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