ロストエンファウンド

(もういいかいぼくはたずねるけど)

「もう、いいかい。」僕は尋ねるけど

(そもそもきみはこのげーむをしらないんだ)

そもそも君はこのゲームをしらないんだ

(ああきみはうまくかくれているかどうかすらもわからないんだ)

ああ君は巧く隠れて居るかどうかすらもわからないんだ

(あいしょくのかけらさがすたび)

アイ色のかけら探すたび

(ぼくにはそんなものなかったといいはってたんだ)

僕にはそんなもの無かったと言い張ってたんだ

(かれらもおとずれたばしょなんだろう)

彼等も訪れた場所なんだろう

(たくさんのきせきがたしかにそんざいしていたんだ)

沢山のきせきが確かに存在していたんだ

(だれもがさがしものふたり)

だれもが探しものふたり

(きっとなにかをさとったよう)

きっと何かを悟った様

(どこかでであうだろう)

どこかで出逢うだろう

(よりそっておなじいろのかおでー)

寄り添って同じ色の表情でー

(もういっぽすすむゆうきがあれば)

もう一歩進む勇気があれば

(きがねなくきみじしんとここでむきあえたのかな)

抵抗なく君自身と此処で向き合えたのかな？

(もういいよきみのこえでふりむいた)

「もう、いいよ。」君の声で振り向いた

(きずだらけのくうかんせかいにいろがついた)

きずだらけの空間世界に色がついた

(だってきみなんてみつからないよ)

だって君なんて見つからないよ

(かなしくてなさけなくてにげだしたむちゅうでうそのあいまをくぐって)

悲しくて情けなくて逃げ出した夢中で嘘の合間をくぐって

(ぶつかってどくをはいてくずれおちてしまいたくて)

ぶつかって毒を吐いて崩れ落ちてしまいたくて

(うそはほんとうのきみをかくしていく)

嘘は本当の君を隠していく

(いきばをうしなうころぶはっとかれらをいちべつする)

行き場を失う転ぶはっと彼等を一瞥する

(けげんにもがいているぼくをみる)

怪訝にもがいている僕を見る

(あわててめをそらす)

慌てて目をそらす

(げーむがそうはじまるまえからどさくさにまぎれて)

「ゲームがそう、始まる前からもうドサクサに紛れて

(かおかくしてきたんだってね)

顔隠してきたんだってね。」

(もうおそいよ)

「もう、遅いよ。」

(かれらのこえはりついた)

彼等の声張り付いた

(とほうもないにげばにいいわけをそっとなげた)

途方もない逃げ場に言い訳をそっと投げた

(そうさきみなんてみつからないよ)

そうさ君なんて見つからないよ

(かなしくてなさけなくてにげだした)

悲しくて情けなくて逃げ出した

(むちゅうでうそのあいまをくぐってあいたくてあいしたくて)

夢中で嘘の合間をくぐってアイタクテアイシタクテ

(はなしたくてはなれてしまうのが)

ハナシタクテハナレテシマウノガ

(こわくてししをほうりだした)

怖くて四肢をほうり出した

(かくれていたのはほんとうにきみだったのか？)

隠れて居たのは本当に君だったのか？

(ぼくもげーむがはじまるずっとずっとまえからきれいことにまぎれてほんとうのかおかくして)

僕もゲームが始まるずっとずっと前から綺麗事に紛れて本当の顔隠して

(いたんじゃないのか？)

居たんじゃないのか？

(あいしょくのかけらはなくしてしまったけれどすこしばかりじかんはすぎて)

アイ色のカケラはなくしてしまったけれど少しばかり時間は過ぎて

(しまったけれどすこしばかりじかんはすぎてしまったけれど)

しまったけれど少しばかり時間は過ぎてしまったけれど

(ただきみとむきあってつたえるべきことばがひとつだけある)

ただ君と向き合って伝えるべき言葉が一つだけ在る

(うしなってしまったものがみつからないとだれがきめた？)

失ってしまったものが見つからないと誰が決めた？

(このげーむをおわらせるんだはしりだせはしりだせ)

このゲームを終わらせるんだ走り出せ走り出せ

(あいたいよあいたくて)

アイたいよアイタクテ

(ころんだことなんてしたをだしてさ)

転んだことなんて舌を出してさ

(わらってやるんだわらってやるんだ)

笑ってやるんだ笑ってやるんだ

(あふれだしてめいっぱいのなみだもかすれてきえたきみのこえも)

溢れ出して目一杯の涙もかすれて消えた君の声も

(なくしたきみのこころも)

失くした君の心臓も

(いまみいつけた)

『ーいま、見い附けた。』