夏目漱石「こころ」3-63

夏目漱石の「こころ」(下)でございます。
なるべく原文ママで問題を設定しておりますので、誤字なのか原文なのかややこしいとは思われますが最後までお付き合い下さい。
オリジナルの書き方・読み方については以下に載せますので、参考の程よろしくお願い致します。
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13:愷歌(がいか)
16:各自(てんでん)
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少し短めです。
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問題文
(さんじゅうに)
三十二
(「それのみならずわたくしはおじょうさんのすこしまえとかわっているのにきがつきました。)
「それのみならず私は御嬢さんの少し前と変わっているのに気が付きました。
(ひさしぶりでたびからかえったわたくしたちがへいぜいのとおりおちつくまでには、)
久し振で旅から帰った私達が平生の通り落付くまでには、
(ばんじについておんなのてがひつようだったのですが、)
万事に就いて女の手が必要だったのですが、
(そのせわをしてくれるおくさんはとにかく、おじょうさんがすべてわたくしのほうをさきにして、)
その世話をしてくれる奥さんはとにかく、御嬢さんが凡て私の方を先にして、
(けいをあとまわしにするようにみえたのです。)
Kを後廻しにするように見えたのです。
(それをろこつにやられては、わたくしもめいわくしたかもしれません。)
それを露骨に遣られては、私も迷惑したかもしれません。
(ばあいによってはかえってふかいのねんさえおこしかねなかったろうとおもうのですが、)
場合によっては却って不快の念さえ起しかねなかったろうと思うのですが、
(おじょうさんのしょさはそのてんではなはだようりょうをえていたから、わたくしはうれしかったのです。)
御嬢さんの所作はその点で甚だ要領を得ていたから、私は嬉しかったのです。
(つまりおじょうさんはわたくしだけにわかるように、)
つまり御嬢さんは私だけに解るように、
(もちまえのしんせつをよぶんにわたくしのほうへわりあててくれたのです。)
持前の親切を余分に私の方へ割り宛ててくれたのです。
(だからけいはべつにいやなかおもせずにへいきでいました。)
だからKは別に厭な顔もせずに平気でいました。
(わたくしはこころのうちでひそかにかれにたいするがいかをそうしました。)
私は心の中でひそかに彼に対する愷歌を奏しました。
(やがてなつもすぎてくがつのなかごろからわれわれはまた)
やがて夏も過ぎて九月の中頃から我々はまた
(がっこうのかぎょうにしゅっせきしなければならないことになりました。)
学校の課業に出席しなければならない事になりました。
(けいとわたくしとはてんでんのじかんのつごうで、でいりのこくげんにまたちそくができてきました。)
Kと私とは各自の時間の都合で、出入の刻限にまた遅速が出来てきました。
(わたくしがけいよりおくれてかえるときはいっしゅうにさんどほどありましたが、)
私がKより後れて帰る時は一週に三度ほどありましたが、
(いつかえってもおじょうさんのかげをけいのへやにみとめることはないようになりました。)
何時帰っても御嬢さんの影をKの室に認める事はないようになりました。
(けいはれいのめをわたくしのほうにむけて、)
Kは例の眼を私の方に向けて、
(「いまかえったのか」をきそくのごとくくりかえしました。)
『今帰ったのか』を規則の如く繰り返しました。
(わたくしのえしゃくもほとんどきかいのごとくかんたんでかつむいみでした。)
私の会釈も殆んど器械の如く簡単でかつ無意味でした。