夏目漱石「こころ」3-64

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投稿者投稿者たけしいいね0お気に入り登録
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夏目漱石「こころ」3-64
下)先生と遺書
夏目漱石の「こころ」(下)でございます。
なるべく原文ママで問題を設定しておりますので、誤字なのか原文なのかややこしいとは思われますが最後までお付き合い下さい。

オリジナルの書き方・読み方については以下に載せますので、参考の程よろしくお願い致します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
3:穿物(はきもの)
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 berry 8471 8.6 98.4% 244.7 2106 33 39 2024/08/11
2 HAKU 7960 8.2 96.6% 258.4 2130 73 39 2024/08/10
3 りつ 3907 D++ 4.1 93.6% 523.6 2196 150 39 2024/08/11
4 いるいる 3750 D++ 4.2 88.7% 496.5 2133 271 39 2024/08/11
5 ayame 83 2687 E 2.9 91.0% 719.7 2144 210 39 2024/08/11

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問題文

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(たしかじゅうがつのなかごろとおもいます。)

たしか十月の中頃と思います。

(わたくしはねぼうをしたけっか、にほんふくのままいそいでがっこうへでたことがあります。)

私は寐坊をした結果、日本服のまま急いで学校へ出た事があります。

(はきものもあみあげなどをむすんでいるじかんがおしいので、)

穿物も編上などを結んでいる時間が惜しいので、

(ぞうりをつっかけたなりとびだしのたです。)

草履を突っかけたなり飛び出したのです。

(そのひはじかんわりからいうと、けいよりもわたくしのほうがさきへかえるはずになっていました。)

その日は時間割からいうと、Kよりも私の方が先へ帰る筈になっていました。

(わたくしはもどってくると、そのつもりでげんかんのこうしをがらりとあけたのです。)

私は戻って来ると、その積りで玄関の格子をがらりと開けたのです。

(するといないとおもっていたけいのこえがひょいときこえました。)

すると居ないと思っていたKの声がひょいと聞こえました。

(どうじにおじょうさんのわらいごえがわたくしのみみにひびきました。)

同時に御嬢さんの笑い声が私の耳に響きました。

(わたくしはいつものようにてかずのかかるくつをはいていないから、)

私は何時ものように手数のかかる靴を穿いていないから、

(すぐげんかんいあがってしきりのふすまをあけました。)

すぐ玄関に上がって仕切の襖を開けました。

(わたくしはれいのとおりつくえのまえにすわっているけいをみました。)

私は例の通り机の前に坐っているKを見ました。

(しかしおじょうさんはもうそこにはいなかったのです。)

然し御嬢さんはもう其所にはいなかったのです。

(わたくしはあたかもけいのへやからのがれでるようにさるそのうしろすがたを)

私はあたかもKの室から逃れ出るように去るその後姿を

(ちらりとみとめただけでした。)

ちらりと認めただけでした。

(わたくしはけいにどうしてはやくかえったのかとといました。)

私はKにどうして早く帰ったのかと問いました。

(けいはこころもちがわるいからやすんだのだとこたえました。)

Kは心持が悪いから休んだのだと答えました。

(わたくしがじぶんのへやにはいってそのまますわっていると、)

私が自分の室に這入ってそのまま坐っていると、

(まもなくおじょうさんがちゃをもってきてくれました。)

間もなく御嬢さんが茶を持って来てくれました。

(そのときおじょうさんははじめておかえりといってわたくしにあいさつをしました。)

その時御嬢さんは始めて御帰りといって私に挨拶をしました。

(わたくしはわらいながらさっきはなぜにげたんですと)

私は笑いながらさっきは何故逃げたんですと

など

(きけるようなさばけたおとこではありません。)

聞けるような捌けた男ではありません。

(それでいてはらのなかではなんだかそのことがきにかかるようなにんげんだったのです。)

それでいて腹の中では何だかその事が気にかかるような人間だったのです。

(おじょうさんはすぐざをたってえんがわづたいにむこうへいってしまいました。)

御嬢さんはすぐ座を立って縁側伝いに向うへ行ってしまいました。

(しかしけいのへやのまえにたちとどまって、ふたことみこととそととではなしをしていました。)

然しKの室の前に立ち留まって、二言三言と外とで話しをしていました。

(それはさっきのつづきらしかったのですが、)

それは先刻の続きらしかったのですが、

(まえをきかないわたくしにはまるでわかりませんでした。)

前を聞かない私にはまるで解りませんでした。

(そのうちおじょうさんのたいどがだんだんへいきになってきました。)

そのうち御嬢さんの態度がだんだん平気になって来ました。

(けいとわたくしがいっしょにうちにいるときでも、よくけいのへやのえんがわへきてかれのなをよびました。)

Kと私が一所に宅にいる時でも、よくKの室の縁側へ来て彼の名を呼びました。

(そうしてそこへはいって、ゆっくりしていました。)

そうして其所へ入って、ゆっくりしていました。

(むろんゆうびんをもってくることもあるし、せんたくものをおいていくこともあるのですから、)

無論郵便を持って来る事もあるし、洗濯物を置いて行く事もあるのですから、

(そのくらいのこうつうはおなじうちにいるふたりのかんけいじょう、)

その位の交通は同じ宅にいる二人の関係上、

(とうぜんとみなければならないのでしょうが、)

当然と見なければならないのでしょうが、

(ぜひおじょうさんをせんゆうしたいというきょうれつないちねんにうごかされているわたくしには、)

是非御嬢さんを専有したいという強烈な一念に動かされている私には、

(どうしてもそれがとうぜんいじょうにみえたのです。)

どうしてもそれが当然以上に見えたのです。

(あるときはおじょうさんがわざわざわたくしのへやへくるのをかいひして、)

ある時は御嬢さんがわざわざ私の室へ来るのを回避して、

(けいのほうばかりへいくようにおもわれることさえあったのです。)

Kの方ばかりへ行くように思われる事さえあったのです。

(それならなぜけいにうちをでてもらわないのかとあなたはきくでしょう。)

それなら何故Kに宅を出て貰わないのかと貴方は聞くでしょう。

(しかしそうすればわたくしがけいをむりにひっぱってきたしゅいがたたなくなるだけです。)

然しそうすれば私がKを無理に引張って来た主意が立たなくなるだけです。

(わたくしにはそれができないのです。)

私にはそれが出来ないのです。

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