夏目漱石「こころ」3-70

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投稿者投稿者たけしいいね0お気に入り登録
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夏目漱石「こころ」3-70
下)先生と遺書
夏目漱石の「こころ」(下)でございます。
なるべく原文ママで問題を設定しておりますので、誤字なのか原文なのかややこしいとは思われますが最後までお付き合い下さい。

オリジナルの書き方・読み方については以下に載せますので、参考の程よろしくお願い致します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
25:働(はたらき)
32:失策った(しまった)
33:先(せん)を越された
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「3-64」において誤字を発見下さりありがとうございました。打ち間違い多発のためにご迷惑おかけしております。申し訳ございません。
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 berry 8527 8.6 98.8% 195.6 1688 20 33 2024/08/20
2 HAKU 8200 8.3 97.7% 203.4 1708 40 33 2024/08/20
3 □「いいね」する 7965 8.2 97.0% 207.9 1708 52 33 2024/08/20
4 ヤス 7725 8.0 95.7% 211.0 1706 76 33 2024/08/20
5 りく 6458 S 6.7 96.2% 262.3 1762 68 33 2024/08/20

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問題文

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(さんじゅうろく)

三十六

(「けいはなかなかおくさんとおじょうさんのはなしをやめませんでした。)

「Kは中々奥さんと御嬢さんの話を已めませんでした。

(しまいにはわたくしもこたえられないようなたちいったことまできくのです。)

仕舞には私も答えられないような立ち入った事まで聞くのです。

(わたくしはめんどうよりもふしぎのかんにうたれました。)

私は面倒よりも不思議の感に打たれました。

(いぜんわたくしのほうからふたりをもんだいにしてはなしかけたときのかれをおもいだすと、)

以前私の方から二人を問題にして話しかけた時の彼を思い出すと、

(わたくしはどうしてもかれのちょうしのかわっているところに)

私はどうしても彼の調子の変っているところに

(きがつかずにはいられないのです。)

気が付かずにはいられないのです。

(わたくしはとうとうなぜきょうにかぎってそんなことばかりいうのかとかれにたずねました。)

私はとうとう何故今日に限ってそんな事ばかり云うのかと彼に尋ねました。

(そのときかれはとつぜんだまりました。)

その時彼は突然黙りました。

(しかしわたくしはかれのむすんだくちもとのにくがふるえるようにうごいているのをちゅうししました。)

然し私は彼の結んだ口元の肉が顫えるように動いているのを注視しました。

(かれはがんらいむくちなおとこでした。)

彼は元来無口な男でした。

(へいぜいからなにかいおうとすると、)

平生から何か云おうとすると、

(いうまえによくくちのあたりをもぐもぐさせるくせがありました。)

云う前に能く口のあたりをもぐもぐさせる癖がありました。

(かれのくちびるがわざとかれのいしにはんこうするようにたやすくあかないところに、)

彼の唇がわざと彼の意志に反抗するように容易く開かないところに、

(かれのことばのおもみもこもっていたのでしょう。)

彼の言葉の重みも籠っていたのでしょう。

(いったんこえがくちをやぶってでるとなると、)

一旦声が口を破って出るとなると、

(そのこえにはふつうのひとよりもばいのつよいちからがありました。)

その声には普通の人よりも倍の強い力がありました。

(かれのくちもとをちょっとながめたとき、わたくしはまたなにかでてくるなとかんづいたのですが、)

彼の口元を一寸眺めた時、私はまた何か出て来るなとすぐ疳付いたのですが、

(それがはたしてなんのじゅんびなのか、わたくしのよかくはまるでなかったのです。)

それが果して何の準備なのか、私の予覚はまるでなかったのです。

(だからおどろいたのです。)

だから驚ろいたのです。

など

(かれのおもおもしいくちから、)

彼の重々しい口から、

(かれのおじょうさんにたいするせつないこいをうちあけられたときのわたくしを)

彼の御嬢さんに対する切ない恋を打ち明けられた時の私を

(そうぞうしてみてください。)

想像して見て下さい。

(わたくしはかれのまほうぼうのために、いちどにせきかされたようなものです。)

私は彼の魔法棒のために、一度に石化されたようなものです。

(くちをもぐもぐさせるはたらきさえ、わたくしにはなくなってしまったのです。)

口をもぐもぐさせる働さえ、私にはなくなってしまったのです。

(そのときのわたくしはおそろしさのかたまりといいましょうか、)

その時の私は恐ろしさの塊りと云いましょうか、

(またはくるしさのかたまりといいましょうか、なにしろひとつのかたまりでした。)

又は苦しさの塊りと云いましょうか、何しろ一つの塊りでした。

(いしかてつのようにあたまからあしのさきまでがきゅうにかたくなったのです。)

石か鉄のように頭から足の先までが急に固くなったのです。

(こきゅうをするだんりょくせいさえうしなわれたくらいにかたくなったのです。)

呼吸をする弾力性さえ失われた位に堅くなったのです。

(さいわいなことにそのじょうたいはながくつづきませんでした。)

幸いな事にその状態は長く続きませんでした。

(わたくしはいっしゅんかんののちに、またにんげんらしいきぶんをとりもどしました。)

私は一瞬間の後に、又人間らしい気分を取り戻しました。

(そうして、すぐしまったとおもいました。)

そうして、すぐ失策ったと思いました。

(せんをこされたなとおもいました。as)

先を越されたなと思いました。

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