ヒーロー

(しょくよくがないもんだからさべつにこぜにがないわけじゃないんだよ)

食欲がないもんだからさ　別に小銭がない訳じゃないんだよ

(きみのよこがおをみているとそういうことをいいたくなるんだよ)

君の横顔を見ていると　そういう事を言いたくなるんだよ

(もしもあしたせかいのききがきてぼくがせかいをすくうやくめだったら)

もしも明日世界の危機が来て　僕が世界を救う役目だったら

(がんばれるのになかっこいいのにななんてくうそうだなんてくうそうだ)

頑張れるのにな　かっこいいのにな　なんて空想だ　なんて空想だ

(そしたら)

そしたら

(ぼくのなきがらきみがいだいてなきながら)

僕の亡骸　君が抱いて　泣きながら

(「やればできるんだね」ってつぶやいて)

「やれば出来るんだね」って　呟いて

(いつだってひーろーわらわれたっていいよ)

いつだってヒーロー　笑われたっていいよ

(じんせいはきげきのひとまくのようなもんだろ)

人生は喜劇の　一幕の様なもんだろ

(「ここはまかせろ」とはいったものの)

「ここはまかせろ」　とは言ったものの

(どうすりゃいいんだろうだんがいのひーろー)

どうすりゃいいんだろう　断崖のヒーロー

(なんていってもせかいのききなんてそうそうくるもんじゃないんだけど)

なんて言っても世界の危機なんて　そうそう来るもんじゃないんだけど

(それなりのじんせいのききってやつはぼくなんかにもおとずれるもんで)

それなりの人生の危機ってやつは　僕なんかにも訪れるもんで

(こどくになってもゆめがあればゆめやぶれてもげんきがあれば)

孤独になっても夢があれば　夢破れても元気があれば

(げんきがなくてもいきていれば)

元気がなくても生きていれば

(「いきていなくても」とかあいつらそろそろいいだすぞ)

「生きていなくても」とかあいつらそろそろ言い出すぞ

(そしたら)

そしたら

(ぜったいぜつめいのききのふちで)

絶体絶命の危機の淵で

(きしかいせいのいちげきはきっといかりかかなしみだ)

起死回生の一撃は　きっと怒りか悲しみだ

(いつだってひーろーなぐられたっていいよ)

いつだってヒーロー　殴られたっていいよ

(たらしたはなぢのいろいなかのねゆきのしろ)

垂らした鼻血の色　田舎の根雪の白

(れんぱいつづきのすりきずだらけの)

連敗続きの　擦り傷だらけの

(ちょうせんしゃきどりのだんがいのひーろー)

挑戦者気取りの　断崖のヒーロー

(こぜにかぞえてぎゃくさんするじんせいも)

小銭数えて　逆算する人生も

(おいつめられてくびくくるじんせいも)

追い詰められて　首括る人生も

(もうよくきくはなしだおどろかないよな)

もうよく聞く話だ　驚かないよな

(いまがせかいのききかもねだれもえらんじゃくれないけど)

今が世界の危機かもね　誰も選んじゃくれないけど

(がんばれるかもなかっこいいかもなここでやれるんならいまがまさにそうだ)

頑張れるかもな　かっこいいかもな　ここでやれるんなら　今がまさにそうだ

(どうせ「せかいよおわれ」とねがってもせかいはくそったれのままつづいてく)

どうせ「世界よ終われ」と願っても　世界はくそったれのまま　続いてく

(だれだってひーろーそんなわけはねえよ)

誰だってヒーロー　そんな訳はねえよ

(いわゆるはきだめのありふれたうぞうむぞう)

いわゆる掃き溜めの　ありふれた有象無象

(そこでまけねえといったもんがちの)

そこで負けねえと　言ったもん勝ちの

(よくあるつよがりの「いつだってひーろー」)

よくある強がりの　「いつだってヒーロー」

(ぜったいぜつめいのぜつぼうてきじょうきょう)

絶体絶命の　絶望的状況

(それでもいいはるよいつだってひーろー)

それでも言い張るよ　いつだってヒーロー