眠れないのは 誰のせい / 稲葉浩志

(やけにいたいとおもったらいにりっぱなあながあいてたんだ)

やけに痛いと 思ったら 胃に りっぱな穴があいてたんだ

(よなかのうちにむしがわいてからだのあちこちをせめるそりゃいしもたまる)

夜中のうちに 虫がわいて 体のあちこちをせめる そりゃ石もたまる

(はやじにするぞもしかしてするかも)

早死にするぞ もしかしてするかも

(しらないうちにおさえつけてたしょうかふりょうのわがよくが)

知らないうちに 抑えつけてた 消化不良のわが欲が

(くさりはじめのやなにおいをぷんぷんまきちらしはじめてる)

腐りはじめのやな臭いを ぷんぷん まきちらしはじめてる

(ああなんというおーでころん)

ああ なんという オーデコロン!!

(だいなりしょうなりきみもおもいあたるでしょう)

大なり小なり 君も思いあたるでしょう

(ああいやだなたにんのしあわせを)

ああ いやだな 他人の幸せを

(まんめんのえがおみせてよろこんでるぼくがいる)

満面の笑顔見せて 喜んでるボクがいる

(せっかちなようせいがぐるぐるかけめぐるそらはあかるくなっても)

せっかちな妖精が ぐるぐるかけめぐる 空は明るくなっても

(ねむれないのはだれのせい)

眠れないのは 誰のせい

(きよいがまんもどをこしゃこうなるこころのきゃぱにもあるぼーだー)

清い我慢も度をこしゃこうなる 心のキャパにもあるボーダー

(ひにひにむくんでくおのれをだまってみすごすてはあるの)

日に日にむくんでく おのれを 黙って見すごす 手はあるの？

(にんげんどっくなんかじゃだめよどこかがちょっとずれてるだけだよきっと)

人間ドックなんかじゃ だめよ どこかがちょっと ずれてるだけだよ きっと

(なんかちがうたにんのふしあわせを)

なんかちがう 他人のふしあわせを

(なみだをながしてかなしんでるおれさまがいる)

涙を流して悲しんでるオレサマがいる

(たあいないひとりごとぶつぶつもれてくるけっかんのかべからもれてる)

他愛ないひとりごと ぶつぶつ漏れてくる 血管の壁から 漏れてる

(ねむれないのはだれのせい)

眠れないのは 誰のせい

(ああいやだなくすりはきかない)

ああ いやだな 薬は効かない

(あのこのやわらかいてをにぎってもおちつかない)

あの娘のやわらかい手を握ってもおちつかない

(なんかきもちわるいきっとほんとうはわかってる)

なんか気持ち悪い きっと本当はわかってる

(じぶんのなかであついたたかいがはじまってること)

自分の中で あつい戦いが始まってること

(ねえもういいだろうあしたにしましょう)

ねえ もういいだろう 明日にしましょう

(まちはへいわなふりしてるのに)

街は平和なフリしてるのに

(ねむれないのはだれのせい)

眠れないのは 誰のせい