溟の滴となりて

(ｏｐｅｎ　ｙｏｕｒ　ｅｙｅｓ，　ｔｈｅ　ｓｕｎ　ｗｉｌｌ　ｒｉｓｅ．)

Open your eyes, the sun will rise.

(ｗｈｅｎ　ｔｈｅ　ａｎｃｉｅｎｔ　ｗｉｎｄ　ｂｌｏｗｓ，)

When the ancient wind blows,

(ｗｉｌｌ　ｓｈｏｏｔ　ｍｅ　ｔｈｒｏｕｇｈ　ｗｉｔｈ　ｉｔｓ　ｂｏｗ．)

will shoot me through with its bow.

(そうはんあぶりかんぜんとゆくただれたきぼうにしがみついて)

瘡瘢炙り敢然と往く 爛れた冀望にしがみついて

(しなびるきゃしゃなねもふぃらのよくやにこがれくさるむえん)

萎びる華奢なネモフィラの 沃野に焦がれ腐る夢魘

(ああたかれたくさきにみをあずけ)

嗚呼 焚かれた草木に身を預け

(きょうかいもやがてあいまいになる)

境界もやがて曖昧になる

(そしてさじんとなってかぜにたなびいて)

然して砂塵となって風にたなびいて

(きみのもとへ)

君のもとへ

(こがらしがふきぬけあののろいのあつさが)

凩が吹き抜け あの呪いの熱さが

(しょうぜんとともにむねにやきついている)

蕭然と共に胸に焼き付いている

(あなたのつがえたやがけたたましいひをつらぬき)

あなたの番えた矢がけたたましい陽を貫き

(わたしのかみにたわむれる)

私の髪に戯れる

(ｃｌｏｓｅ　ｙｏｕｒ　ｅｙｅｓ．)

Close your eyes.

(ｍｏｔｈｅｒ　ｅａｒｔｈ　ｈｉｄｅｓ　ｉｎ　ｉｃｅ．)

Mother Earth hides in ice.

(ｆｅｅｌ　ａｙｏｎｄ　ｔｈｅ　ｏｂｓｃｕｒｅ　ｔｉｍｅ．)

Feel ayond the obscure time.

(ｄｏｅｓｎ’ｔ　ｈａｖｅ　ｔｏ　ｂｅ　ｓｕｂｌｉｍｅ．)

Doesn't have to be sublime.

(がんしょうをはつるさかまくあだなみがあてどなくさわぎたてる)

岩礁を斫る逆巻く徒浪が あてどなく騒ぎ立てる

(にびいろにくすんだいでおろぎーがゆえいにはぜりわめく)

鈍色にくすんだイデオロギーが 輸贏に罅ぜり喚く

(あああいしたせかいがまたひとつ)

嗚呼 愛した世界がまたひとつ

(ひとひらのゆめのようにとけてゆく)

ひとひらの夢のように溶けてゆく

(このしずくにうたをあなたへのおもいを)

この滴に詩をあなたへの想いを

(うみにたくして)

溟に託して

(とりたちははばたきしゅくふくのつめたさが)

鳥たちは羽ばたき 祝福の冷たさが

(しょうぜんのこどうについのたむけをする)

慴然の鼓動に終の手向けをする

(きみのねがいはいまよのしじまをきりさいて)

君の願いは今 夜のしじまを切り裂いて

(ぼくのとなりでほほえんだ)

僕の隣で微笑んだ