永山あゆむの400字小説打
問題文
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(「ほんとうにふしぎだよなあ」)
「本当に不思議だよなあ」
(おれ、かたひらはやとがぼそっとつぶやく。)
俺、片平隼人がぼそっとつぶやく。
(「なにが?」)
「何が?」
(となりにいるおれのかのじょ、おおやまあかねがたずねる。)
隣にいる俺の彼女、大山茜が訊ねる。
(「いっしょにてれびをみることが、だよ。)
「一緒にテレビを見ることが、だよ。
(だいがくにはいってひとりぐらしをして、)
大学に入って一人暮らしをして、
(となりにあかねがいて、こうこうにゅうがくしたてのへたれなおれがみたら)
隣に茜がいて、高校入学したてのヘタレな俺が見たら
(びっくりするよなって)
びっくりするよなって
(そうね。はじめてあったころのはやとは、)
そうね。初めて会った頃の隼人は、
(なまえににあわずきょどってばっかで。)
名前に似合わずキョドってばっかで。
(まあそれがなおったのも、)
まあそれが治ったのも、
(あたしのおかげだけどね)
あたしのおかげだけどね
(ああ、おまえにいろいろとぶかつやぎょうじにふりまわされたおかげ、でな)
ああ、おまえに色々と部活や行事に振り回されたおかげ、でな
(ふふ。これからもあたしのために、がんばってよね。おもいで、いっぱいつくりたいし)
ふふ。これからもあたしのために、頑張ってよね。思い出、いっぱい作りたいし
(「まじか・・・・・・おれ、いっしょうこのままなのかな?」)
「マジか……俺、一生このままなのかな?」
(くしょうするおれに、あかねはおれのかたによりそい、)
苦笑する俺に、茜は俺の肩に寄り添い、
(「とーぜんでしょ」)
「トーゼンでしょ」
(と、うれしそうにこたえた。)
と、嬉しそうに答えた。
(まあ、わるくないけど。)
まあ、悪くないけど。