立ち入り禁止

(ゆうれいしょうじょはきょうも　むくちにあるく)

幽霊少女は今日も　無口に歩く

(きょうみ　あいぞうなんてのないのうない)

興味　愛憎なんての無い脳内

(からからのひとなみ)

空々の人波

(だれのかげにかくれてあるく？)

誰の影に隠れて歩く？

(おうのうとうすい　ゆえつ　ごらいこう)

懊悩陶酔　愉悦　御来光

(たちいりをきんず)

立ち入りを禁ず

(ゆうれいしょうじょはきょうも　むくちにあるく)

幽霊少女は今日も　無口に歩く

(ばせい　ぼうりょく　とうひこう　きらいだって)

罵声　暴力　逃避行　嫌いだって

(いしをなげられ)

石を投げられ

(ざんねんなことに　うまれたときに)

残念なことに　生まれた時に

(このよはぼくのいばしょをわすれたみたい)

この世はボクの居場所を忘れたみたい

(だれもにひていされて　すくいもなくて)

誰もに否定されて　救いも無くて

(じぶんをのろっているひび)

自分を呪っている日々

(もう　ぼくはなに？)

もう　ボクはなに？

(たちいりきんし)

立ち入り禁止

(どこまでもできそこないのこのぼくに)

どこまでも出来損ないのこのボクに

(やさしさをつきはねても)

優しさを突き撥ねても

(きえないあいをぬいつけてください)

消えない愛を縫い付けてください

(いたいいたいいたい　こころが)

痛い痛い痛い　ココロが

(いまだ「しんぞう」なんてやくわりをはたすの)

未だ「心臓」なんて役割を果たすの

(ゆえに　たちいりきんしする)

故に　立ち入り禁止する

(ゆうれいしょうじょはきょうも　むくちにあるく)

幽霊少女は今日も　無口に歩く

(どうせいきちゃいないってごかんがあかしをおしえてくれる)

どうせ生きちゃいないって五感が証を教えてくれる

(だから)

だから

(きょうはしんのぞうは　こころはとじた)

今日は心の臓は　ココロは閉じた

(きにいらないならちかよらないでよ)

気に入らないなら近寄らないでよ

(ゆうれいしょうじょはきょうも　ふるえてあるく)

幽霊少女は今日も　震えて歩く

(ばせい　ぼうりょく　とうひこう　きらいだって)

罵声　暴力　逃避行　嫌いだって

(いしをなげられ)

石を投げられ

(そのすがたにうまれたいみも)

その姿に生まれた忌みも

(しらないままひとりすすりなく)

知らないままひとりすすり泣く

(おもいかえすほどあいされたこともない)

思い返すほど愛されたこともない

(よりそっていいほどこころをゆるせない)

寄りそっていいほど心を許せない

(わかりあえるほどことばをはなせない)

分かり合えるほど言葉を話せない

(きょうだってこのしたたらずがじゃまをする)

今日だってこの舌足らずが邪魔をする

(こわれていく)

壊れていく

(どんなおもいのつたえかたもしらない)

どんな想いの伝え方も知らない

(ちかよらないでってはさみをふりかぶったって)

近寄らないでってハサミを振りかぶったって

(ねえ　このあいは　このあいはきみのこころに)

ねえ　この愛は　この愛は君の心に

(とどいてますか)

届いていますか

(たちいりきんし)

立ち入り禁止

(どこまでもできそこないのこのぼくに)

どこまでも出来損ないのこのボクに

(ただひとつ　ひとことだけください)

ただ一つ　一言だけください

(いきていいよってさ)

生きていいよってさ

(おしえて　なにひとつ)

教えて　何一つ

(すてさってしまったこのぼくに)

捨て去ってしまったこのボクに

(せいをうけ　しいたげられ)

生を受け　虐げられ

(なおもいのちをやめたくないのだ？)

なおも命を止めたくないのだ？

(いたいいたいいたい　こころが)

痛い痛い痛い　ココロが

(やさしいこえでこわれてしまうから)

優しい声で壊れてしまうから

(ゆえに　たちいりきんしする)

故に　立ち入り禁止する