願い

(はいいろのしかいのなかで)

灰色の視界の中で

(ひとりであるくのはかんたんじゃなかった)

一人で歩くのは簡単じゃなかった

(あいまいなりんかくをたどり)

曖昧な輪郭をたどり

(たぐりよせたいとはつながってなかった)

手繰り寄せた糸は繋がってなかった

(「ねぇ、いつかあさひをみよう」)

「ねぇ、いつか朝日を見よう」

(そういってきみはてを)

そう言って君は手を

(そっとさしだした)

そっと差し出した

(もっとうまくあるけたなら)

もっとうまく歩けたなら

(なにかちがっていたのか)

何か違っていたのか

(もがくほどにからまる)

もがくほどに絡まる

(きしむせかいにのみこまれながら)

軋む世界に飲み込まれながら

(だいじなものぼろぼろこぼしながら)

大事な物ボロボロこぼしながら

(それでもふたりでねがった)

それでも二人で願った

(どこかでみたようなにちじょうでいい)

どこかで見たような日常でいい

(きずつくだけのせかいならもう)

傷つくだけの世界ならもう

(いらないいらないいらないいらないいらない)

いらないいらないいらないいらないいらない

(ねぇ、もしもであわなかったら)

ねぇ、もしも出逢わなかったら

(わたしはいまもきっとひとりだった)

私は今もきっと一人だった

(なにもないからっぽのまま)

何もない空っぽのまま

(いきをしているだけのまいにちはいやだった)

息をしているだけの毎日は嫌だった

(どこかにおきわすれて)

どこかに置き忘れて

(みうしないかけたもの)

見失いかけたもの

(きみがおしえてくれた)

君が教えてくれた

(ゆがむみちにあしをとられそうでも)

歪む道に足を取られそうでも

(かぜにゆられぐらぐらたおれそうでも)

風に揺られグラグラ倒れそうでも

(それでもふたりでねがった)

それでも二人で願った

(すぐにきえそうなまぼろしなんて)

すぐに消えそうな幻なんて

(いつわりだけのせかいならもう)

偽りだけの世界ならもう

(いらないいらないいらないいらないいらない)

いらないいらないいらないいらないいらない

(たとえばよごれたけしきも)

例えば汚れた景色も

(みにくいまちのいろも)

醜い街の色も

(あるいたぶんだけふえていくけど)

歩いた分だけ増えていくけど

(しんじるものがあるから)

信じるものがあるから

(なみだはもうながさないよ)

涙はもう流さないよ

(そしていまあたらしいひびを)

そして今新しい日々を

(あるく)

歩く

(きしむせかいにのみこまれながら)

軋む世界に飲み込まれながら

(だいじなものぼろぼろこぼしながら)

大事なものボロボロこぼしながら

(ふたりでねがった)

二人で願った

(どこかでみたようなにちじょうでいい)

どこかで見たような日常でいい

(きずつくだけのせかいならもう)

傷つくだけの世界ならもう

(いらないいらないいらないいらないいらない)

いらないいらないいらないいらないいらない