帰/Akali

(いまここでいきをあらくして)

今ここで息を荒くして

(たちすくんでいるきみも)

立ちすくんでいる君も

(４００ねんごにはあとかたもなく)

400年後には跡形もなく

(うまれかわっているのだよ)

生まれ変わっているのだよ

(がめんのむこうのぞきこんで)

画面の向こう覗き込んで

(じぶんごとのようにおちこんでさ)

自分事のように落ち込んでさ

(とってくわれたれっとうかんから)

取って食われた劣等感から

(かいほうされたいならば)

解放されたいならば

(さあたびだっていこうか)

さあ　旅立っていこうか

(もうあとがないのだから)

もう後がないのだから

(ふるえるこきゅうととのえて)

震える呼吸整えて

(いっぽふみだしてみようか！)

一歩踏み出してみようか！

(さいていだったたくさんのおもいでだって)

最低だったたくさんの思い出だって

(すうじかんごにはきえてしまうから)

数時間後には消えてしまうから

(そろそろきみもかくごをきめて)

そろそろ君も覚悟を決めて

(もとのばしょへかえろうよ)

元の場所へ帰ろうよ

(いっせーのーでえい！)

いっせーのーで　えい！

(もしここであきらめたとして)

もしここで諦めたとして

(きみはどうするつもりなんだい)

君はどうするつもりなんだい

(かえってじごくをくりかえし)

帰って地獄を繰り返し

(じわじわいきをひきとるのかい)

じわじわ息を引き取るのかい

(がめんのむこうのぞきこんで)

画面の向こう覗き込んで

(”ふつう””いっぱんてき”をうらやんでさ)

"普通""一般的"を羨んでさ

(ほんとうにくるしいれっとうかんから)

本当に苦しい劣等感から

(かいほうされたいのだろう)

解放されたいのだろう

(ならたびだっていこうか)

なら　旅立っていこうか

(どうせあとがないのだから)

どうせ後がないのだから

(ちらかったへやをかたづけて)

散らかった部屋を片付けて

(いっちょ、にげだしてみようかねえ)

いっちょ、逃げ出してみようかねえ…

(ねえきみはいまさほんとに)

ねえ　君は今さ　ほんとに

(しあわせなのかい？)

幸せなのかい？

(ねえきみはいまさほんとに)

ねえ　君は今さ　ほんとに

(しあわせになれるとおもうのかい？)

幸せになれると思うのかい？

(「ねえいきてるうちは、むくわれないんだって」)

「ねえ 生きてるうちは、報われないんだって」

(「どれだけがんばっても、こどくですか」)

「どれだけ頑張っても、孤独ですか」

(「ぼくがせなかをおしてあげようか？」)

「ぼくが背中を押してあげようか？」

(「ああ・・・！とてもすがすがしいきぶんです！」)

「ああ…！とても清々しい気分です！」

(「さぁて、げーむのようにうまくいくかな」)

「さて、ゲームのように上手くいくかな」

(さいていだったたくさんのおもいでだって)

最低だったたくさんの思い出だって

(すうじかんごにはきえてしまうから)

数時間後には消えてしまうから

(そろそろきみもかくごをきめて)

そろそろ君も覚悟を決めて

(もとのばしょへかえろうよ)

元の場所へ帰ろうよ

(いっせーのーでえい！)

いっせーのーで　えい！

(わずかなきぼうやしあわせだって)

わずかな希望や幸せだって

(すうびょうごにはすてさってしまうから)

数秒後には捨て去ってしまうから

(さいごぐらいはあかるいえがおで)

最期ぐらいは明るい笑顔で

(みんなのところへいこうよ)

みんなのところへ行こうよ

(こわいのはいっしゅんだけだからさ)

怖いのは一瞬だけだからさ

(きっといたくなんてないからさ)

きっと痛くなんてないからさ

(つぎはひとりじゃないからさ。)

次はひとりじゃないからさ。