すまきの話 -4-

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師匠シリーズ
以前cicciさんが更新してくださっていましたが、更新が止まってしまってしまったので、続きを代わりにアップさせていただきます。
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問題文

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(「どうしたんですか」とおおきなこえでよびかけたしゅんかん、がさがさという、)

「どうしたんですか」と大きな声で呼びかけた瞬間、ガサガサという、

(かみぶくろかびにーるぶくろがゆれるようなおとがした。)

紙袋かビニール袋が揺れるような音がした。

(そのあとはでんわぐちのむこうからこえがしなくなった。ときどき、がさがさ、)

その後は電話口の向こうから声がしなくなった。時どき、ガサガサ、

(というちいさなおとがするだけだ。)

という小さな音がするだけだ。

(なんどかむこうによびかけてから、もうつうじないのだとはんだんしてでんわをきった。)

何度か向こうに呼びかけてから、もう通じないのだと判断して電話を切った。

(すぐにがいしゅつようのふくにきがえる。)

すぐに外出用の服に着替える。

(ししょうになにかあった。)

師匠になにかあった。

(それだけはわかる。)

それだけは分かる。

(いえからとびだし、じてんしゃにまたがって、ししょうのいえのほうにむかう。)

家から飛び出し、自転車にまたがって、師匠の家の方に向かう。

(そらはくもっているのかつきがみえず、がいとうがないあたりはまっくらだ。)

空は曇っているのか月が見えず、街灯がないあたりは真っ暗だ。

(ししょうのいえにいりびたっているうちにすっかりそのあたりのとちかんを)

師匠の家に入り浸っているうちにすっかりその辺りの土地勘を

(みにつけてしまっておれは、「いえからちかいほんや、ほんやのまえのこうえん」)

身につけてしまって俺は、「家から近い本屋、本屋の前の公園」

(というひんとから、しじされたばしょにさいたんきょりでとうたつした。)

というヒントから、指示された場所に最短距離で到達した。

(そこはみどりのたいいちかくで、ゆうぐのたぐいはほとんどないけれど、)

そこは緑の多い一角で、遊具の類はほとんどないけれど、

(じゅうみんたちのさんぽこーすになっているひろばだった。)

住民たちの散歩コースになっている広場だった。

(いりぐちにじてんしゃをとめる、おそるおそるあしをふみいれる。)

入り口に自転車を止る、恐る恐る足を踏み入れる。

(ひとのけはいはない。すくなくともうごくもののかげは。)

人の気配はない。少なくとも動くものの影は。

(やぶになっているところをまわりこみ、がいとうのあかりがつくるいんえいを)

薮になっている所を回り込み、街頭の明かりが作る陰影を

(じっとかんさつしながらそろそろとすすむ。)

じっと観察しながらそろそろと進む。

(みょうにしずかだ。)

妙に静かだ。

など

(かたいつちのじめんにちいさないしがころがっていて、)

硬い土の地面に小さな石が転がっていて、

(おれのあしがそれをけとばすかわいたおとがひびく。)

俺の足がそれを蹴飛ばす乾いた音が響く。

(やぶのてまえにもくせいのべんちがふたつならんでいるばしょがあり、)

藪の手前に木製のベンチが二つ並んでいる場所があり、

(そこにだれかいそうなきがしてくびをのばしたが、)

そこに誰かいそうな気がして首を伸ばしたが、

(とおめにもひとのすがたはみあたらなかった。)

遠目にも人の姿は見当たらなかった。

(こうえんがちがったのかとおもって、あたまのなかでじゅうたくちずをさいせいしようとしていると、)

公演が違ったのかと思って、頭の中で住宅地図を再生しようとしていると、

(そのだれもいないべんちからひとのけはいがただよってきたきがした。)

その誰もいないベンチから人の気配が漂ってきた気がした。

(きんちょうしてもういちどしせんをむける。)

緊張してもう一度視線を向ける。

(ふたつのべんちには、やはりだれもいない。)

二つのベンチには、やはり誰もいない。

(そのむこうはみとおしがいいので、だれもかくれてはいないはずだ。)

その向こうは見通しがいいので、誰も隠れてはいないはずだ。

(うしろのやぶのなかならばわからないが、みるからにかたそうなえだきだ。)

後ろの藪の中ならば分からないが、見るからに硬そうな枝木だ。

(あのなかにひそむならそうとうのひっかききずをかくごしないといけないだろう。)

あの中に潜むなら相当の引っ掻き傷を覚悟しないといけないだろう。

(あとは、べんちのよこのごみいれか。)

あとは、ベンチの横のゴミ入れか。

(そうかんがえたしゅんかん、なにかいやなものがしんたいをかけぬけた。)

そう考えた瞬間、なにか嫌なものが身体を駆け抜けた。

(そのごみいれは、よくあるきんぞくせいのあみじょうになったえんとうで、)

そのゴミ入れは、よくある金属製の網状になった円筒で、

(うえのほうにむけてすこしけいがおおきくなっているやつだ。)

上の方に向けて少し径が大きくなっているやつだ。

(そのうちがわにはくろいびにーるぶくろがはめこまれている。ただ、ふつうにこうえんなどで)

その内側には黒いビニール袋がはめ込まれている。ただ、普通に公園などで

(みるたいぷよりかなりちいさい。おとなのこしまでもとどかないくらいだ。)

見るタイプよりかなり小さい。大人の腰までも届かないくらいだ。

(そのごみいれから、いようなけはいがしている。いや、いしきをしゅうちゅうするとわかる。)

そのゴミ入れから、異様な気配がしている。いや、意識を集中すると分かる。

(けはいなどというあいまいなものではなく、はっきりとちのにおいだとわかった。)

気配などという曖昧なものではなく、はっきりと血の匂いだと分かった。

(いきをとめながらゆっくりとあしをすすめる。ちのにおいがつよくなってくる。)

息を止めながらゆっくりと足を進める。血の匂いが強くなってくる。

(あきらかにごみいれのなかからだ。)

明らかにゴミ入れの中からだ。

(すこしちかづいてよくみると、ごみいれのしたのかげになっているところに)

少し近づいてよく見ると、ゴミ入れの下の影になっている所に

(なにかのしみができている。)

なにかの染みが出来ている。

(くろい。ちだ。みえにくいが、ごみいれのかぶのすべてにひろがっているとしたら、)

黒い。血だ。見えにくいが、ゴミ入れの下部のすべてに広がっているとしたら、

(かなりのりょうだ。)

かなりの量だ。

(あしのながいかがよこをとおりすぎ、かすかなはおとをのこしてごみいれのなかにきえた。)

足の長い蚊が横を通り過ぎ、かすかな羽音を残してゴミ入れの中に消えた。

(つばをのむ。)

つばを飲む。

(がさりと、ごみいれからなにかがうごくけはい。)

ガサリと、ゴミ入れからなにかが動く気配。

(はんしゃてきにみがまえる。)

反射的に身構える。

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