指さし -2-

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師匠シリーズ
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問題文

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(そういわれてめをあけると、こんどはだんじょのぺあがおなじほうこうをゆびさしていた。)

そう言われて目を開けると、今度は男女のペアが同じ方向を指さしていた。

(ぼくはおもわずそのしろいかべからしせんをそらせる。)

僕は思わずその白い壁から視線を逸らせる。

(なにかみえてしまうきがして。)

なにか見えてしまう気がして。

(そのあともかれがひとつばなしをするたびに、このれいかんじっけんのようなげーむがおこなわれた。)

その後も彼が一つ話をするたびに、この霊感実験のようなゲームが行われた。

(げーむをいいだしたほんにんもちのけのひいたようなかおをしている。)

ゲームを言い出した本人も血の気の引いたような顔をしている。

(けれどだれもやめようとはいわない。)

けれど誰もやめようとは言わない。

(ぜんいんがぬけだせないくりかえしのわのなかにとらわれてしまっているようだった。)

全員が抜け出せない繰り返しの輪の中に囚われてしまっているようだった。

(そしてやがてきづきはじめる。)

そしてやがて気づき始める。

(ゆびをさすほうこうがだんだんとそろいはじめていることを。)

指をさす方向がだんだんと揃い始めていることを。

(めをひらくたびにいきをのむおとがして、みんなのしせんがそちらにむく。)

目を開くたびに息を呑む音がして、みんなの視線がそちらに向く。

(こんどはよんにんがほぼおなじほうこうのまどをゆびさしていた。)

今度は四人がほぼ同じ方向の窓を指さしていた。

(あつでのかーてんがしてあって、そとのようすはうかがけない。)

厚手のカーテンがしてあって、外の様子は覗けない。

(きっとそとからもろうそくのちいさなあかりはみえないだろう。)

きっと外からも蝋燭の小さな灯りは見えないだろう。

(へへへ、とだれかがてれたようなわらいごえをもらした。)

へへへ、と誰かが照れたような笑い声を漏らした。

(だれもまどのそと、かーてんのむこうをかくにんしようとはしなかった。)

誰も窓の外、カーテンの向こうを確認しようとはしなかった。

(みんなそちらからぎこちなくしせんをそらすだけだった。)

みんなそちらからぎこちなく視線を逸らすだけだった。

(「つぎのはなし」)

「次の話」

(とかれがまたひっそりといった。)

と彼がまたひっそりと言った。

(そのかれがしゃべりはじめてすぐに、いままでのかいだんとはちがうことにきづいた。)

その彼が喋り始めてすぐに、今までの階段とは違うことに気付いた。

(まよなかにこどもたちがつどい、)

真夜中に子どもたちが集い、

など

(れいにいるばしょをあてるゆびさしげーむをするはなしだった。)

霊にいる場所をあてる指さしゲームをする話だった。

(まるでぼくらのことのようだ。)

まるで僕らのことのようだ。

(いちわにわとはなしがすすむにつれ、だんだんとゆびはそろいはじめる。)

一話二話と話が進むにつれ、だんだんと指は揃い始める。

(ふたり、さんにん、よんにん、ごにん・・・・・)

二人、三人、四人、五人・・・・・

(そしてさいごのはなしがおわったとき、ぜんいんのゆびがおなじばしょをむいた・・・・・)

そして最後の話が終わったとき、全員の指が同じ場所を向いた・・・・・

(そこでかれのはなしはおわった。)

そこで彼の話は終わった。

(はずなのに、みんないきをはかない。)

はずなのに、みんな息を吐かない。

(これからそのつづきがはじまるのだ。)

これからその続きが始まるのだ。

(「めをつぶって」)

「目をつぶって」

(とかれはいった。)

と彼は言った。

(だれもさからえなかった。)

誰も逆らえなかった。

(ぼくのまえにはろうそくのゆらめきだけがやみのなか、かげろうのようにのこっている。)

僕の前には蝋燭のゆらめきだけが闇の中、陽炎のように残っている。

(ぼくらがしずみこむようにまるくすわっているだんわしつの、)

僕らが沈み込むように丸く座っている談話室の、

(あらゆるほういがぐにゃぐにゃとうごいているようなけはいがある。)

あらゆる方位がぐにゃぐにゃと動いているような気配がある。

(どこをゆびさしても、とてもいやなばしょをゆびさしてしまいそうなよかんがした。)

どこを指さしても、とても嫌な場所を指さしてしまいそうな予感がした。

(ふるえながら、てがうごく。)

震えながら、手が動く。

(「めをあけて」)

「目を開けて」

(とやみのなかからこえがきこえた。)

と闇の中から声が聞こえた。

(そしてぼくたちはぜんいんがおなじほうこうをゆびさしているのをみた。)

そして僕たちは全員が同じ方向を指差しているのを見た。

(だいがくいっかいせいのはるだった。)

大学一回生の春だった。

(ぼくはだいがくにはいってそうそうになかよくなったせんぱいとふたりきりで)

僕は大学に入って早々に仲良くなった先輩と二人きりで

(しんれいすぽっとをおとずれていた。)

心霊スポットを訪れていた。

(そのひとはかいだんばなしのすきだったぼくがまったくかなわないほどのあやしいちしきを)

その人は怪談話の好きだった僕がまったく敵わないほどの妖しい知識を

(もっているかいじんぶつで、ぼくはかれをししょうとよび、ゆくさきざきについてまわっていた。)

持っている怪人物で、僕は彼を師匠と呼び、行く先々について回っていた。

(「このよには、せつめいのつかないことがあるものだな」)

「この世には、説明のつかないことがあるものだな」

(やまばとのこえがかなたからきこえるくらやみのなかで、)

山鳩の声が彼方から聞こえる暗闇の中で、

(ちいさならんぷがぼくらのかおをてらしていた。)

小さなランプが僕らの顔を照らしていた。

(ぼくのとっておきのたいけんだんをききおえて、)

僕のとっておきの体験談を聞き終えて、

(ししょうはひとことつぶやいてうなずいたきりはんのうしなくなった。)

師匠は一言呟いて頷いたきり反応しなくなった。

(なにもいってくれないとこわさがましてくる。)

なにも言ってくれないと怖さが増してくる。

(いまいるここはひとざとをはなれやまみちをくねくねとのぼってようやくたどりつく、)

今いるここは人里を離れ山道をくねくねと登ってようやくたどりつく、

(うちすてられたようなぷれはぶごやだった。)

打ち捨てられたようなプレハブ小屋だった。

(いろいろなしざいらしきものがさんらんしあれほうだいにあれていたが、なかはひろい。)

色々な資材らしきものが散乱し荒れ放題に荒れていたが、中は広い。

(ぶるーしーとのほこりをはらってそのうえにすわっていたが、)

ブルーシートの埃を払ってその上に座っていたが、

(なにもないくうかんがしんたいのそとがわにはりついて、むしょうにひえる。)

なにもない空間が身体の外側に張り付いて、無性に冷える。

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