指さし -4-

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師匠シリーズ
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問題文

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(そのことばをきいたしゅんかん、あたまのなかにせんめいなきおくがよみがえった。)

その言葉を聞いた瞬間、頭の中に鮮明な記憶が蘇った。

(おんなのこのひめい。おとこのこひめい。ばたばたとどこへともなくにげまどうあしおと。)

女の子の悲鳴。男の子悲鳴。バタバタとどこへともなく逃げ惑う足音。

(ぜんいんのゆびがしたをむいたとき、)

全員の指が下を向いたとき、

(ぼくはえたいのしれないかなきりごえをみみもとできいたきがした。)

僕は得体の知れない金切り声を耳元で聞いた気がした。

(せなかにおもくてつめたいえきたいがながしこまれたようなきがした。)

背中に重くて冷たい液体が流し込まれたような気がした。

(とにかくそのばをはなれようとしてだれかにぶつかった。)

とにかくその場を離れようとして誰かにぶつかった。

(ころんだぼくのめに、ろうそくのまえできょうがくのひょうじょうをうかべてこうちょくするかれのすがたがあった。)

転んだ僕の目に、蝋燭の前で驚愕の表情を浮かべて硬直する彼の姿があった。

(やがてだんわしつからわめきながらすうにんがとびだしていき、)

やがて談話室から喚きながら数人が飛び出していき、

(そのさわぎをききつけてせんせいがねまきすがたではしってきた。)

その騒ぎを聞きつけて先生が寝巻き姿で走ってきた。

(ぼくらはさんざんにおこられ、いっぱつずつびんたをちょうだいした。)

僕らは散々に怒られ、一発ずつビンタを頂戴した。

(とくにろうそくをもちこんだかれは、せんせいのへやにかつがれるように)

特に蝋燭を持ち込んだ彼は、先生の部屋に担がれるように

(つれていかれてしまった。)

つれていかれてしまった。

(かいだんばなしをしていたときのおちつきはらったたいどはきえうせ、)

怪談話をしていたときの落ち着き払った態度は消え失せ、

(ごめんなさいごめんなさいとなきわめいていた。)

ごめんなさいごめんなさいと泣き喚いていた。

(「よく、わかりましたね」)

「よく、わかりましたね」

(そういうしかなかった。あらためて、このひとはすごいひとだとおもった。)

そう言うしかなかった。改めて、この人は凄い人だと思った。

(「おそらくぜんいんのゆびはげんみつにはばらばらだったはずだ。)

「おそらく全員の指は厳密にはバラバラだったはずだ。

(じぶんのましたや、たたみのうえのどこか。いずれにせよそれまでにふたりいじょうが)

自分の真下や、畳の上のどこか。いずれにせよそれまでに二人以上が

(おなじほうこうをゆびさしてしまったようにはそろっていなかったとおもう。)

同じ方向を指さしてしまったようには揃っていなかったと思う。

(でもめをあけて、ほかのこのゆびがむいているほうこうをみたとき、)

でも目を開けて、他の子の指が向いている方向を見たとき、

など

(みんなのいしきは「した」というそのきごうだけをにんちしていた」)

みんなの意識は「下」と言うその記号だけを認知していた」

(そうしてきされてはじめてきづいた。たしかに、ゆびはそろっていなかった。)

そう指摘されて初めて気付いた。確かに、指は揃っていなかった。

(なのに「そろった」とさっかくしていた。)

なのに「揃った」と錯覚していた。

(「おもいこみのつよいこどもに、そのげーむはこくだったな」)

「思い込みの強い子どもに、そのゲームは酷だったな」

(ししょうはくちもとだけでわらった。)

師匠は口元だけで笑った。

(ぼくはひだりうでをさすりながらかたをちぢめる。)

僕は左腕をさすりながら肩を縮める。

(あのきょうふたいけんに、そんなしんりとりっくがかくれていたなんて・・・・・)

あの恐怖体験に、そんな心理トリックが隠れていたなんて・・・・・

(ふとあたまのなかにかすかなひっかかりをおぼえた。)

ふと頭の中に微かな引っ掛かりを覚えた。

(あれ?だとするとへんだ。)

あれ?だとすると変だ。

(「このよには、せつめいのつかないことがあるものだなって、)

「この世には、説明のつかないことがあるものだなって、

(いいませんでしたか」)

言いませんでしたか」

(ぼくのはなしをききおえたあと、たしかにししょうはそういった。)

僕の話を聞き終えたあと、確かに師匠はそう言った。

(しかしそのちょくご、みごとにしんりてきなせつめいがついてしまった。)

しかしその直後、見事に心理的な説明がついてしまった。

(あのときにはすべてのみこんだことばのようにきこえたのに。)

あのときにはすべて飲み込んだ言葉のように聞こえたのに。

(なんだかあっけない。)

なんだかあっけない。

(「だれが、そのはなしのおちのことだっていった?」)

「誰が、その話のオチのことだって言った?」

(ししょうがゆっくりとことばをはく。そのしゅんかん、ぞくりとはだがあわだった。)

師匠がゆっくりと言葉を吐く。その瞬間、ゾクリと肌が粟立った。

(らんぷのほのあかりのなかでくびをめぐらせて、くものすがけむりのように)

ランプのほの明かりの中で首を巡らせて、蜘蛛の巣が煙のように

(おおっているこやのよすみにしせんをやりながら、ししょうはかたりはじめた。)

覆っている小屋の四隅に視線をやりながら、師匠は語り始めた。

(「ここは、とうさんしたどけんがいしゃのしざいおきばだったらしい。)

「ここは、倒産した土建会社の資材置き場だったらしい。

(それがどうしてしんれいすぽっとになったのか、まだはなしてなかったな。)

それがどうして心霊スポットになったのか、まだ話してなかったな。

(まあ、あっさりいうと、しゃちょうがここでくびをくくったんだ。)

まあ、あっさり言うと、社長がここで首を括ったんだ。

(そこのはしらにねくたいをまきつけてな」)

そこの柱にネクタイを巻きつけてな」

(らんぷをそちらにむける。)

ランプをそちらに向ける。

(なにかおぞましいものでもみたように、ぼくはおもわずみをひいた。)

なにかおぞましいものでも見たように、僕は思わず身を引いた。

(「で、そのあとよなかにこやのまえをとおると、まどのうちがわにだれかたってるのが)

「で、そのあと夜中に小屋の前を通ると、窓の内側に誰か立ってるのが

(みえるってうわさがたった。そのまどのむこうのひとかげは、いようにくびがながいんだと。)

見えるって噂が立った。その窓の向こうの人影は、異様に首が長いんだと。

(しんだしゃちょうがうかばれないじばくれいになっていまもこのぷれはぶごやのなかを)

死んだ社長が浮かばれない地縛霊になって今もこのプレハブ小屋の中を

(さまよってるっていうはなしだ」)

彷徨ってるっていう話だ」

(ところだ。)

ところだ。

(とししょうはいっぱくおいた。)

と師匠は一拍置いた。

(「しゃちょうがくびをくくったりゆうをたどっていくと、おもしろいべつのうわさにつきあたる」)

「社長が首を括った理由を辿っていくと、面白い別の噂に突き当たる」

(かたん、とらんぷをおいてたちあがった。)

カタン、とランプを置いて立ち上がった。

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