先生 後編 -3-

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順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
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1 | berry | 8088 | 神 | 8.2 | 98.6% | 373.0 | 3060 | 43 | 62 | 2025/05/06 |
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問題文
(「あなたとしげちゃんがさいしょにみたかおにゅうどうはいわにえがかれたものでは)
「あなたとシゲちゃんが最初に見た顔入道は岩に描かれたものでは
(なかったけれど、あなたがおもったようなはりぼてでもなかった。)
なかったけれど、あなたが思ったようなハリボテでもなかった。
(たしかにはりぼてがほんもののかおにゅうどうのてまえにあったなら、だれもかくれるばしょなんて)
確かにハリボテが本物の顔入道の手前にあったなら、誰も隠れる場所なんて
(なかったはずのどうくつに、ひみつのくうかんができることになる。)
なかったはずの洞窟に、秘密の空間が出来ることになる。
(そこにだれかがかくれていて、たろちゃんがやってくるまえにはりぼてを)
そこに誰かが隠れていて、タロちゃんがやってくる前にハリボテを
(いれかえれば、あっというまにかおにゅうどうがいかったってことになるわよね。)
入れ替えれば、あっという間に顔入道が怒ったってことになるわよね。
(でもよくかんがえて。どうしてそのだれかはあとからたろちゃんがくるなんて)
でも良く考えて。どうしてその誰かは後からタロちゃんがくるなんて
(しってたの?」)
知ってたの?」
(はっとした。)
ハッとした。
(そうだ。たろちゃんはきゅうにおじけづいてぼくらがはいったあとにはいるなんてことに)
そうだ。タロちゃんは急に怖気付いて僕らが入った後に入るなんてことに
(なったけど、それでもむりやりしげちゃんがつれていってたら)
なったけど、それでも無理やりシゲちゃんが連れて行ってたら
(さんにんともはじめの「おこるまえ」のかおをみていたことになる。)
三人とも初めの「怒る前」の顔を見ていたことになる。
(そうなれば、いくらなんでもぼくらのめのまえで)
そうなれば、いくらなんでも僕らの目の前で
(はりぼてのはやがわりなんてげいとうができるはずはないし、)
ハリボテの早がわりなんて芸当が出来るはずはないし、
(そのままかえられたらせっかくのいたずらのしかけもぱぁだ。)
そのまま帰られたらせっかくのイタズラの仕掛けもパァだ。
(くちぶりからすると、しげちゃんもたろちゃんも、)
口ぶりからすると、シゲちゃんもタロちゃんも、
(それからたぶんほかのみんなもいちどはかおにゅうどうをみているはずだから、)
それからたぶんほかのみんなも一度は顔入道を見ているはずだから、
(なにもかおのはやさがわりなんてことをしなくても)
なにも顔の早がわりなんてことをしなくても
(はじめからおこったかおのはりぼてをよういしていれば、)
初めから怒った顔のハリボテを用意していれば、
(さいしょにみたしゅんかんに「かおにゅうどうがいかった。うわあぁ」ってことになるはずなのだ。)
最初に見た瞬間に「顔入道が怒った。うわあぁ」ってことになるはずなのだ。
(「そうね。それにあなたがみた、しろいきばのようなとりょうのついたいわが)
「そうね。それにあなたが見た、白い牙のような塗料のついた岩が
(じゅうようなひんとになってるのよ」)
重要なヒントになってるのよ」
(せんせいはもったいぶったようにゆっくりとひとさしゆびをたてる。)
先生は勿体ぶったようにゆっくりと人差し指を立てる。
(「とりょうのついたとがったいわは、かおにゅうどうのいわのましたにあったのよね」)
「塗料のついた尖った岩は、顔入道の岩の真下にあったのよね」
(あ、とおもった。)
あ、と思った。
(「だからぬけおちたきばのようにみえた。それも、おとといきのうと)
「だから抜け落ちた牙のように見えた。それも、一昨日昨日と
(にかいみたそのりょうほうともおなじことをおもったのよね。ということは、)
二回見たその両方とも同じことを思ったのよね。ということは、
(とりょうのついたいわと、かおにゅうどうのいちはかわってないってこと。)
塗料のついた岩と、顔入道の位置は変わってないってこと。
(ここまでいえばもうわかったかな。)
ここまで言えばもう分かったかな。
(つまりかおにゅうどうのいわのてまえにはりぼてなんかつくって)
つまり顔入道の岩の手前にハリボテなんか作って
(そのあいだににんげんがかくれたりしたら、ぜったいにそのましたのとりょうのついたいわも)
そのあいだに人間が隠れたりしたら、絶対にその真下の塗料のついた岩も
(かくれちゃうんだから・・・・・」)
隠れちゃうんだから・・・・・」
(だから、はりぼてはなかった。)
だから、ハリボテはなかった。
(そんなけつろんがせんせいのくちからすらすらとでてくる。)
そんな結論が先生の口からスラスラと出てくる。
(そのことじたいになっとくはいったけれど、ぜんぜんじけんのかいけつにはなっていない。)
そのこと自体に納得はいったけれど、全然事件の解決にはなっていない。
(それどころかよけいにうすきみわるくなってくる。それじゃあかおにゅうどうは、)
それどころか余計に薄気味悪くなってくる。それじゃあ顔入道は、
(やっぱりかってにおこったりわらったりしたってことじゃないか。)
やっぱり勝手に怒ったり笑ったりしたってことじゃないか。
(ぼくがぶつぶつとそういうと、せんせいはうふっとわらった。)
僕がぶつぶつとそう言うと、先生はうふっと笑った。
(「そのとおりよ」)
「その通りよ」
(ええっ、とおもわずちからがぬけそうになった。そんなばかな。)
ええっ、と思わず力が抜けそうになった。そんなバカな。
(「ただしくいうと、かおにゅうどうはかってにおこったけれど、かってにはわらわなかった」)
「正しく言うと、顔入道は勝手に怒ったけれど、勝手には笑わなかった」
(なんだかなぞかけのようなことをいいながらせんせいはちょーくをてにもつ。)
なんだか謎かけのようなことを言いながら先生はチョークを手に持つ。
(そしてこくばんにえがかれたまるいちのまーくのついた「おこるまえ」のもじのおしりに、)
そして黒板に描かれた丸1のマークのついた「怒る前」の文字のお尻に、
(「?」のもじをかきくわえた。それからこちらにふりむく。)
「?」の文字を書き加えた。それからこちらに振り向く。
(「さっき、わたしにおこられそうになったでしょう?」)
「さっき、私に怒られそうになったでしょう?」
(うんうんとうなずく。なんだかたのしくなってきた。)
うんうんと頷く。なんだか楽しくなってきた。
(これからもっとふしぎなことがおこりそうなよかんがして。)
これからもっと不思議なことが起こりそうな予感がして。
(「あれはおしばいだったけど、あなたはなんだかわからないうちに)
「あれはお芝居だったけど、あなたはなんだか分からないうちに
(おこられそうになって、めなんかつぶっちゃって、かんねんしてたわよね」)
怒られそうになって、目なんか瞑っちゃって、観念してたわよね」
(はずかしくておもわずかぁーっとかおがあかくなりそうになった。)
恥ずかしくて思わずカァーっと顔が赤くなりそうになった。
(「これからおこるってことは、もうおこってるってことよ」)
「これから怒るってことは、もう怒ってるってことよ」
(そりゃあそうだ。おとながいおこるときなんてだいたいぱたーんがきまってるんだから。)
そりゃあそうだ。大人が怒る時なんてだいたいパターンが決まってるんだから。
(めをつりあげちゃって、ぼくらがこたえられないようなことをといつめてきて、)
目を吊り上げちゃって、僕らが答えられないようなことを問い詰めてきて、
(それからどなりつけたりひっぱたいたりするんだ。)
それから怒鳴りつけたり引っ叩いたりするんだ。
(ほんきでおこりだすまえに、これからどうなるかくらいわかる。)
本気で怒り出す前に、これからどうなるかくらい分かる。
(あれ?てことは、なにかへんだぞ。)
あれ?てことは、なにか変だぞ。
(せんせいはくすくすとかたをゆすったあと、いたずらっぽくぼくのほうにむきなおった。)
先生はクスクスと肩を揺すった後、イタズラっぽく僕の方に向き直った。
(「あなたがさいしょにみた「おこるまえ」のかお。)
「あなたが最初に見た「怒る前」の顔。
(それは、ほんとうは「おこってるかお」じゃなかったの?」)
それは、本当は「怒ってる顔」じゃなかったの?」
(はっとした。)
ハッとした。
(おこるまえってことは、おこってるってこと。そうだ。いかりをこられてるってことは、)
怒る前ってことは、怒ってるってこと。そうだ。怒りをこられてるってことは、
(おこってるってことだ。ただばくはつするまえかあとかってだけで。)
怒ってるってことだ。ただ爆発する前か後かってだけで。