始まりの理由を/甲斐田晴

(くちびるをかんだらめをとじてそれから)

唇を噛んだら　目を閉じてそれから

(うまくいかないりゆうをかぞえてた)

うまくいかない理由を数えてた

(むかんどうろうひしていく)

無感動、浪費していく

(こんなはずじゃないひびのこうかいを)

こんな筈じゃない日々の後悔を

(しりめにすすむあいつのせいじゃない)

尻目に進むあいつのせいじゃない

(しゅじんこうぜんとしたじしんや)

主人公然とした自信や

(かたるにあたいするすとーりー)

語るに値するストーリー

(もってないからしかたない)

持ってないから仕方ない

(でもあきらめたくないとか)

でも諦めたくないとか

(じちょうぎみにしかわらえない)

自嘲気味にしか笑えない

(なにもかもいいわけみたいで)

何もかも言い訳みたいで

(きおくにのこるように)

記憶に残るように

(ことばにいみがやどるように)

言葉に意味が宿るように

(ゆめのとおさにめがくらんで)

夢の遠さに目が眩んで

(おもいだすあのひのこと)

思い出すあの日のこと

(いっぽすすんではもどって)

一歩進んでは戻って

(あいかわらずなひびの)

相変わらずな日々の

(そのはじまりのことを)

その、始まりのことを

(ふがいないしょうたいをさとられないように)

不甲斐ない正体を悟られないように

(かたるじろんもせいろんもこっけいで)

語る持論も正論も滑稽で

(かちまけじゃないとかいっておいて)

勝ち負けじゃないとか言っておいて

(あれもこれもしょうはいを)

あれもこれも勝敗を

(きにしてんのがしょうぶんだなんてさ)

気にしてんのが性分だなんてさ

(だきょうじょうほいっさいしないで)

妥協譲歩一切しないで

(ありあまるさいのうをかけすて)

有り余る才能を掛け捨て

(それくらいじゃないといみない)

それくらいじゃないと意味ない？

(でもあきらめられないよな)

でも諦められないよな

(いまにみていろこれから)

「今に見ていろ、これから」

(だれにともなくこえにして)

誰にともなく声にして

(いつかのゆめがすこしちかづくたび)

いつかの夢が少し近づく度

(はてしないことをしらずにいられない)

果てしないことを知らずにいられない

(あいかわらずさ)

相変わらずさ

(きおくにのこるように)

記憶に残るように

(ことばがとどくように)

言葉が届くように

(ためいきをあいせるように)

溜息を愛せるように

(あなたもゆめをきっとあきらめずいられますように)

あなたも夢をきっと諦めずいられますように

(ゆめのとおさにめがくらんで)

夢の遠さに目が眩んで

(ふりかえるひがあっても)

振り返る日があっても

(いっぽすすんではもどって)

一歩進んでは戻って

(あいかわらずなぼくらのことを)

相変わらずな僕らのことを

(たがいにいのろう)

互いに祈ろう

(きのうよりすすんだってせいぜい０．１％)

昨日より進んだって　精々0.1％

(こころがおれそうなんていいづらいけど)

心が折れそうなんて言い辛いけど

(たまにはいいよ)

たまにはいいよ

(きっといいよ)

きっといいよ

(わすれようもないでしょう)

忘れようもないでしょう

(はじまりのわけを)

始まりの理由（わけ）を